シンガポール旅行の玄関口であるシンガポール・チャンギ国際空港(Singapore Changi International Airport)は東南アジア最大のハブ空港です。シンガポール市内の中心部から約23km東に位置しています。
1981年7月1日に開港して以来、イギリスの航空サービス格付け会社「スカイトラックス(Skytrax)」をはじめ、数々の航空業界や旅行雑誌で賞を受賞しており、「世界一快適な国際空港」とまで称されている国際空港です。
東南アジア最大のハブ空港だけあって、乗り継ぎの際、空港で快適に過ごせるよう非常に充実したサービスと設備を誇っています。
以下、シンガポール・チャンギ空港の基本情報、空港での快適な過ごし方をご紹介します。
シンガポール・チャンギ国際空港のターミナル
チャンギ国際空港には現在、JetQuay CIPターミナルを含めて合計5つのターミナルがあります。加えて、空港の東側を拡張して、2025年頃にターミナル5が開業予定。
各ターミナルの特徴と、日本とシンガポール間を直行便で就航している航空会社の到着ターミナルは以下の通りです。
- ターミナル1
- 1981年7月1日に開業。ワンワールドに加盟する航空会社が発着しています。ターミナル1の3階には、100種類以上のサボテンや多肉植物が栽培されている「カクタス・ガーデン(Cactus Garden)」があります。無料で珍しい植物を見ることができます。
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就航航空会社:日本航空(JL)、デルタ航空(DL)、他。
日本航空(JL)の公式サイト内にターミナル1の詳細なフロアマップが掲載されています。〔シンガポール〕チャンギ国際空港 – 日本航空 - ターミナル2
- 1991年6月1日に開業。主にシンガポール航空の近・中距離線や子会社が発着しています。
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就航航空会社:シンガポール航空(SQ)、全日空(NH)、スクート、他。
全日空(NH)の公式サイト内にターミナル2の詳細なフロアマップが掲載されています。到着ターミナル – 全日空 - ターミナル3
- 2008年1月9日に開業。主にシンガポール航空の日本路線を含む東アジア便、各国航空会社の南アジア便、欧州・北米・オセアニア方面の長距離便が発着しています。
- 就航航空会社:シンガポール航空(SQ)、ユナイテッド航空(UA)
- ターミナル4
- 2017年10月31日に開業。格安航空会社向けの設備も併設されており、チェックイン、出入国審査、搭乗ゲートなどを自動化しています。多くの格安航空会社の便が発着しています。
- 就航航空会社:大韓航空、春秋航空、ベトナム航空や、エアアジア、タイ・エアアジア、インドネシア・エアアジア、セブパシフィック航空、他。
- JetQuay CIPターミナル
- JetQuay CIPターミナルは、プライベートチェックインから出入国検査まで一貫して行われます。
※ターミナル3、ターミナル4、複合施設のJewelのフロアマップは、チャンギ国際空港の公式サイトで参照できます。
Indoor Map | Getting Around Singapore Changi Airport
各ターミナル間の移動
ターミナル1~4の間は建物自体が繋がっておらず、かなり離れた距離にあります。2階(レベル2)の出発乗り継ぎラウンジは、コンコースでつながっていますが、「動く歩道 / Travellators 」を使ってもターミナル2とターミナル3を徒歩で移動する場合、30分はかかります。
そこで、各ターミナル間の移動は、無料のスカイトレイン、あるいは無料シャトルバスを使う形となります。
- スカイトレイン / Skytrain
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スカイトレインはモノレール形式のシャトルで、ターミナル1、ターミナル2、ターミナル3の間をピストン運行しています。
※ターミナル4には運行していません。 - 運行時間は、早朝5時~深夜の2時30分。乗り場は、ターミナル1~3とも2階(レベル2)の出発ホールの端にあります。料金は無料です。
- 無料シャトルバス / Shuttle Bus
- 無料シャトルバスは、ターミナル1、2、3とターミナル4の間を運航しています。公共エリアとトランジット エリアの両方で利用できます。
「乗り継ぎ客」を重視したチャンギ国際空港
チャンギ空港内にある免税店などのショップ数は200余り! 空港という名のショッピングセンターといった趣です。各種レストランなどの飲食店も相当数あり、もちろんフード・コートもあり、世界各地の味を楽しむことができます。
さらに、映画館、庭園、ビジネスセンター、礼拝堂、郵便局、インターネット施設などなど、一つ一つを訪ね歩くだけでも飽きません。
こうした充実の施設があることには理由があります。総面積が約699平方km、と東京23区の大きさぐらいの都市国家、シンガポールではシンガポール自体の航空需要がそれほどありません。ちなみに都市国家シンガポールでは国内線はなく、全て国際線です。
つまりチャンギ国際空港は「乗り継ぎ客」を重視した国際空港という点が大きな特徴です。特にヨーロッパとオーストラリアやニュージーランドを結ぶ「カンガルー・ルート」の一翼を担う空港として、同区間を移動する旅行者の多くが、チャンギ国際空港を経由します。
そこで、24時間オープンしており、待ち時間も快適に過ごせるよう様々な配慮がなされています。世界に数ある空港の中でも、制限区域内の設備が一番充実しているのは、チャンギ空港と言われているほどです。
例えば、トランジットでチャンギ空港を利用する者で、5時間以上の待ち時間がある場合は、約2時間の無料市内観光に参加することもできます。
旅行者のみならず、週末ともなれば、地元シンガポールっ子たちがちょっとした「アミューズメント施設」であるチャンギ国際空港を訪れたりします。
- チャンギ国際空港|Singapore Changi International Airport
- チャンギ国際空港の公式サイトでは、チャンギ国際空港に発着する国際便のフライトインフォーメーション、 空港ガイドなどの情報が掲載されています。以前は、英語、中国語、インドネシア語に加えて、日本語も加えた多言語でコンテンツを用意していましたが、現在は、中国語と英語のみとなっています。
主要施設サービス
- 案内所 / Information and Customer Service Counters
- 空港の案内所は、ターミナル1、ターミナル2、ターミナル3の2階(レベル2)の出発乗り継ぎラウンジに数ヶ所あります。一般エリアの1階(レベル1)の到着ホール中央部にもあります。
- ターミナル4では、一般エリアの到着待合ホールと出発ホールにあります。「Information」の案内が目印です。英語が不得意な場合は? 英語に堪能なシンガポール人ですが、日本人が英語に不慣れなことは先刻承知。片言でも何とかなるものです。あせらずトライしてみましょう!
- 両替所
- 第1、2、3、4の全ターミナルで、UOBとTravelexの両替店が2軒並べて出店しています。24時間営業というところがさすがチャンギ国際空港です。深夜・早朝便でシンガポールに到着しても安心です。
- 一般的に各国際空港での両替レートは悪いものです。実際、チャンギ国際空港での両替レートは、シンガポールで両替レートが良いとされているラッキー・プラザやリトル・インディアにあるムスタファ・センターに比べると良くはありません。しかし、チャンギ国際空港の場合、それほど大きなレートの差がありません。10万円以上の両替ならば事情も異なりますが、1万円の両替で100円未満の差があるといった感じです。あまり神経質になる必要はないでしょう。
- 喫煙エリア / Smoking Areas
- 愛煙家の方にとっては厳しいことに、長時間の禁煙フライトに絶えた後、到着した空港ターミナルビル内でも、全面禁煙です。とはいえ、ターミナル1、2、3とも2階(レベル2)と、3階(レベル3)の出発乗り継ぎラウンジに、幾つかの喫煙エリアが設けられています。ターミナル4では、出発ラウンジに喫煙所があります。
- 映画館
- ターミナル2には映画館が併設されています。ケーブルテレビの映画チャンネルを上映しています。快適な椅子、音響システムの良さが評判です。
- シャワー / Shower Facilities
- チャンギ空港には、シャワー施設、仮眠施設がパブリックエリア(到着エリア)と制限エリア(出発エリア)にあります。シャワーのみを利用する場合は、S$16(約1700円)が目安です。
- フィットネスセンター
- 石鹸、タオル、シャンプー、ロッカー室が用意されています。
- プール
- 屋外にあるプールで、ロッカー室も備えています。7:00~23:00
- 子供用ルーム / Children’s Playgrounds/Play Areas
- 全ターミナルに幼児~小学生を対象とした遊具を備えた子供用ルームがあります。24時間利用可。
- インターネット環境
- シンガポールチャンギ空港のパブリックエリア(到着エリア)と制限エリア(出発エリア)では、無料でWi-Fiを利用できます。以前は、Wi-Fi接続するにあたって、電話番号(SMS)とパスワードの取得が必要でしたが、現在は事前手続き不要で利用できます。一度のWi-Fi接続で3時間利用可。