2025年版ミャンマーの祝日・お祭り・イベントカレンダー

Myanmar

ミャンマーの祝日・休日:文化を紐解く暦

ミャンマーの文化や社会に関心を寄せる人々にとって、現地の暦と祝日制度の理解は欠かせません。ミャンマーでは、グレゴリオ暦(西暦)に加えて、仏教の伝統に基づくビルマ暦が併用されています。

人々のアイデンティティを形作るビルマ暦の「曜日」

ビルマ暦は、月の満ち欠けと太陽の動きを基準にした太陰太陽暦です。紀元638年を元年とし、日本の旧暦と同様に、仏教行事や伝統的な祭りの日付を決定するために重要視されています。そのため、ミャンマーの正月「ティンジャン」や満月を祝う祭事などは、毎年日付が変わります。

この暦は、人々の日常生活に深く根ざし、個人のアイデンティティを形作る上で不可欠な要素となっています。特に、生まれた曜日は非常に重要視されており、ミャンマーの人々は自分が何曜日に生まれたかを必ず把握しています。これは、日本の血液型占いや六曜のように、文化に深く結びついたものです。

ビルマ暦では、水曜日が午前と午後に分かれるため、曜日は合計8つに分けられます。それぞれの曜日には、守護動物や方位、支配星が定められており、例えば日曜日はガルーダ、水曜日午前は牙のある象が守護動物とされています。この生まれた曜日は、その人の性格や運勢、他人との相性を決めると考えられています。

ミャンマーの人々は、以下のような場面で生まれた曜日を重要視しています。

  • 命名: 子どもの名前に、生まれた曜日にちなんだ言葉を入れることがあります。
  • 寺院での参拝: パゴダ(仏塔)には、8つの曜日に対応した祭壇が設けられており、人々は自分の生まれた曜日の祭壇で祈りを捧げます。
  • 占い: 曜日ごとの性格診断や相性占いが盛んです。

多様な文化を尊重する祝日制度

ミャンマーの祝日は「休暇及び休日法」に基づき、政府の通知によって定められます。この制度には、多様な文化が反映されています。国民の多数を占める仏教行事が中心ですが、イスラム教やヒンドゥー教、キリスト教など、多様な宗教の重要な日も国民の祝日として尊重されています。

連邦国家ならではの州・地域ごとの祝日

連邦国家であるミャンマーでは、全国共通の祝日とは別に、各州や地域ごとの独自の祝日が存在します。これらの祝日は、州政府が決定し、その地域に住む主要民族の文化や伝統を尊重するために設けられています。たとえば、カイン族の新年を祝うカイン新年は、民族固有の暦に基づいて日付が決定されます。また、カチン州の日(1月10日)は、カチン族の統一を記念する日であり、カチン族の新年のお祭り「マナウ・フェスティバル」の一部として盛大に祝われます。

祝日発表と振替休日

翌年の祝日リストは、前年の12月下旬に発表されることが多いようです。また、宗教暦に基づく祝日は、その直前に変更されることがあります。

なお、ミャンマーでは週休2日制が定着していますが、祝日が土曜日や日曜日と重なった場合でも振替休日はありません。かつて2020年に振替休日制度が導入されましたが、2022年に撤廃されています。

ミャンマーの仏教寺院

2025年ミャンマーの祝日/休日カレンダー

2025年1月1日(水)元旦 / International New Year’s Day
西暦の新年元旦であり、ミャンマーでも家族や友人と共に新年を祝います。多くの人々が祈りを捧げ、新たな年の健康や幸運を願う重要な国の祝日です。
2025年1月4日(土)独立記念日 / Lut lat yay nei / Independence Day
1948年にイギリス連邦からの独立を達成したことを祝う日です。全国で式典やパレードが開催され、国旗掲揚や演説を通じて国家の独立を讃えます。
2025年1月10日(金)カチン州の日 / Kachin State Day
カチン族の統一とミャンマー連邦への加入を記念する祝日です。カチン州では伝統的な祭典「マナウ・フェスティバル」などが開催され、民族文化が盛大に祝われます。
2025年1月29日(水)春節(旧正月)/ Chinese New Year
中国系コミュニティが盛大に祝う旧正月で、2025年から正式な国の祝日となりました。各地で伝統的な行事や華やかなイベントが催され、華人文化の重要な節目です。
2025年2月4日(火)モン建国記念日 / Mon National Day
モン族の建国と歴史を称える日です。毎年日付が変動し、モン州を中心に伝統的な祭りや文化イベントが開催され、民族の誇りを表現する機会となっています。
2025年2月12日(水)連邦記念日 / Pyidaungzu nei / Union Day
1947年に複数民族間の協定が結ばれた日を祝います。民族の団結と平和を象徴し、全国で関連イベントやセレモニーが催される重要な祝日です。
2025年2月20日(木)チン州の日 / Chin National Day
チン族の民族性と文化を祝福する日です。チン州ではスポーツ競技や伝統的な文化パフォーマンスが実施され、地域コミュニティが一体となって祝います。
2025年3月2日(日)農民の日 / Taungthu le thama nei / Peasants Day
農民の労働と貢献を称える祝日です。農村部を中心に農業フェスティバルが催され、農民の生活や努力を祝福し、農業の重要性を再認識する機会となっています。
2025年3月13日(木)タバウンの満月祭 / Dabaung la pyei nei / Dabaung Full Moon Day
仏教暦のタバウン月満月の日に行われる祭りで、砂で仏塔を築き灯明を捧げるなど祈りが捧げられます。寺院では説法が行われ、信者が集う重要な仏教行事です。
2025年3月27日(木)国軍記念日 / Tatmadaw nei / Armed Forced Day
1945年に国軍が蜂起した日を記念します。軍事パレードや戦没者の追悼式が各地で実施され、軍の歴史と役割を讃える国の祝日です。
2025年4月13日(日)~4月16日(水)ティンジャン祭 / Thingyan Water Festival
ミャンマーの新年を迎える伝統的な水かけ祭りで、過去の悪運を水で洗い流し、新たな年の幸福を願います。街は祭り一色となり音楽や踊りも楽しめます。
ミャンマー水掛けまつり
2025年4月17日(木)ミャンマー新年 / Myanmar New Year
ビルマ暦で迎える新年元旦で、水かけ祭りの後に続き盛大に祝われます。伝統行事が行われ、家族や地域コミュニティが新年の幸福を祈ります。
2025年5月1日(木)メーデー / A louk thama nei / May Day(Labour Day)
世界的に労働者の権利と労働の意義を称える日です。ミャンマーでも国の祝日として、労働者を称え関連イベントが開催されます。
2025年5月11日(日)カソン月の満月祭 / Kason la pyei Boda nei / Kasone Full Moon Day
仏陀の誕生、悟り、入滅を記念する聖なる日です。菩提樹への水やりや寺院参拝が行われ、多くの信者が仏教の教えを振り返ります。
2025年6月7日(土)メッカ巡礼祭(犠牲祭)/ Eid Al-Adha
イスラム教の重要な祝日で、メッカ巡礼の最終日に当たります。信者は犠牲祭の儀式を行い、宗教的な意味を深く感じる日となっています。
2025年7月9日(水)Waso la pyei nei / Waso Full Moon Day
仏教の安居期間(雨安居)の始まりを示す日で、僧侶への衣や食物の施しが行われます。多くの信者が寺院を訪れて祈りを捧げます。
2025年7月19日(土)殉教者の日 / Martyrs’ Day
独立運動の指導者アウン・サン将軍らの暗殺を追悼する日です。全国で追悼式が行われ、彼らの功績を称えています。
2025年10月5日(日)~10月7日(火)タディンジュ満月祭 / Thadingyut Full Moon Day
仏陀が天界から地上に戻ったことを祝う灯火祭です。蝋燭や提灯が灯され、仏陀への敬意が表されます。
2025年10月20日(月)ディーパバリ(光の祭典) / Deepavali
ヒンドゥー教の光の勝利を祝う祭典です。ミャンマーでも宗教的な行事が行われ、多くの信者が善の力を祈ります。
2025年11月4日(火)ダザウンモン満月祭 / Tazaungmone Full Moon Day
僧侶に衣を施し灯明を捧げる日で、慈善活動も活発に行われます。信者が寺院に集い、仏教の精神を深める祝日です。
2025年11月14日(金)国民の日(建国記念日)/ National Day
1920年の民族政治運動を記念し、ミャンマーの民族的団結と独立を祝う日です。全国で関連行事やセレモニーが開かれます。
2025年11月24日(月)シャンの新年 / Shan New Year
シャン族の伝統的な新年で、毎年日付が変動します。シャン州を中心に多彩な祝祭や文化行事が行われます。
2025年12月1日(月)ラカイン州の日 / Rakhine State Day
ラカイン族の歴史と文化の再興を祝う日です。ラカイン州内では式典やパレードが催され、地域の誇りを示します。
2025年12月19日(金)カイン(カレン)新年 / Kayin New Year Day
カイン族の伝統的な新年で、民族舞踊や音楽が盛大に披露されます。カイン州を中心に祝われる国の重要な祝日です。
2025年12月25日(木)クリスマス / Hkarissamat nei / Christmas Day
イエス・キリストの誕生を祝う日で、教会での礼拝や家族での祝いが行われます。キリスト教徒にとって大切な祝日です。
ミャンマーの仏教寺院

2026年ミャンマーの祝日/休日カレンダー

赤字:国全体の祝日。
オレンジ:州の祝日。

2026年1月1日(木) 元旦 / International New Year’s Day
グレゴリオ暦の新年元旦で、家族や友人と集まり、新しい年の到来を祝います。2026年も国の祝日です。
2026年1月4日(日) 独立記念日 / Lut lat yay nei / Independence Day
1948年にイギリスから独立した日を記念し、全国で式典やパレードが行われます。ヤンゴンを中心に盛大に祝われます。
2026年1月10日(土) カチン州の日 / Kachin State Day
カチン族の統一と連邦加盟を記念し、カチン州で伝統的な「マナウ・フェスティバル」が盛大に開催されます。
2026年1月17日(土) 春節(旧正月)/ Chinese New Year
2026年は1月17日が旧暦元旦にあたり、中国系コミュニティを中心に祝われ、各地でイベントが開催されます。
2026年2月3日(火) モン建国記念日 / Mon National Day
モン族の建国を祝う日で、モン州を中心に伝統行事や祭典が催されます。毎年日付が変動します。
2026年2月12日(木) 連邦記念日 / Pyidaungzu nei / Union Day
民族間のパンロン協定調印を記念し、国の団結と協力を祝う日です。各地で祝賀イベントが行われます。
2026年2月19日(木) チン州の日 / Chin National Day
チン族の民族性を祝う日で、チン州で伝統的なスポーツ大会や文化行事が行われます。
2026年3月1日(日) 農民の日 / Taungthu le thama nei / Peasants Day
農業と農民の努力を讃え、農村部で農業フェスティバルなどが開催されます。
2026年3月23日(月) タバウンの満月祭 / Dabaung la pyei nei / Dabaung Full Moon Day
仏教暦のタバウン月満月の日に行われる祭りで、仏塔造りや灯明供養などが行われ、神聖な雰囲気に包まれます。
2026年3月27日(金) 国軍記念日 / Tatmadaw nei / Armed Forces Day
1945年の独立運動蜂起を記念し、軍事パレードや追悼式典が開催されます。国の重要な祝日です。
2026年4月13日(月)~4月16日(木) ティンジャン祭 / Thingyan Water Festival
伝統的な水掛け祭りで、新年を迎え過去の悪運を洗い流します。街中が祭りの活気に満ちあふれます。
2026年4月17日(金) ミャンマー新年 / Myanmar New Year
ビルマ暦1388年の元旦で、新年の始まりを祝う日。水掛け祭りと連動し盛大にお祝いされます。
2026年5月1日(金) カソン月の満月祭 / Kason la pyei Boda nei / Kasone Full Moon Day
仏陀の誕生と悟りを記念する神聖な日で、寺院への参拝や菩提樹への水掛けが盛んに行われます。2026年は5月1日にあたります。
2026年6月16日(火) メッカ巡礼祭(犠牲祭) / Eid Al-Adha
イスラム教の重要な宗教祝日で、メッカ巡礼の最終日にあたります。2026年は6月16日に当たります。
2026年7月14日(火) ワーゾォ祭(雨安居入り) / Waso Full Moon Day
仏教の安居期間の始まりで、僧侶への布施や修行が盛んに行われる日です。2026年は7月14日にあたります。
2026年7月18日(土) 殉教者の日 / Martyrs’ Day
独立運動のリーダーアウン・サン将軍らが暗殺された日を悼み、全国で追悼式が行われます。
2026年10月24日(土)~10月26日(月) タディンジュ満月祭 / Thadingyut / Thadingyut Full Moon Day
仏陀が天上界での説教を終えて戻る日を祝う灯火祭りで、仏陀を迎えるため蝋燭や灯明が灯されます。
2026年11月2日(月) ダザウンモン満月祭 / Tazaungmone / Tazaungmone Full Moon Day
僧侶への衣の布施や灯明供養が行われ、地域の慈善活動も盛んに行われる日です。
2026年11月12日(木) 国民の日(建国記念日) / National Day
1920年の民族政治運動を記念し、民族の団結と独立を祝う日として各地で行事が開かれます。
2026年11月23日(月) シャンの新年 / Shan New Year
シャン族の伝統的な新年で、シャン州を中心に祭典や文化行事が行われます。日付は毎年変動します。
2026年12月7日(月) ラカイン州の日 / Rakhine State Day
ラカイン族の歴史と文化の再興を祝う日で、州内で式典やパレードが開催されます。
2026年12月18日(金) カイン(カレン)新年 / Kayin New Year Day
ミャンマー東部に居住するカイン族の新年で、民族舞踊や音楽などの伝統行事が盛大に行われます。
2026年12月25日(金) クリスマス / Hkarissamat nei / Christmas Day
イエス・キリストの誕生を祝う日で、教会での礼拝や家族での祝いが行われます。
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