2026年2月14日(土)〜2月22日(日)台湾・春節(旧正月)完全ガイド:9連休の日程と伝統が織りなす「静」と「動」

赤い春聯とランタンで飾られた台湾の街並み

台湾の春節(しゅんせつ)は、単なる暦の切り替えではなく、家族や社会を貫く強い伝統が最も顕著に現れる一週間です。

2026年は2月17日(火)に春節の元旦を迎えます。街中が深紅に染まり、爆竹の音が響き渡るこの時期、台湾の人々は何を祈り、社会の中で春節はどう機能しているのか。その深層を探ります。同時に、この時期に台湾旅行を考えている方に向けて、留意すべき注意事項をや楽しみ方をガイドします。

A vibrant red Chinese lantern with golden patterns captured outdoors in Hsinchu County, Taiwan.

Photo by Will Chen on Pexels

2026年、2027年、2028年の春節のスケジュール日程

  • 2月14日(土):連休開始
  • 2月16日(月):旧暦大晦日(除夕) ※精神的なクライマックス
  • 2月17日(火):旧正月元旦
  • 2月22日(日):連休終了(全9連休)
2026年は、週末と振替休日を繋いだ9連休となります。この期間、台湾全土では驚異的な規模の移動が発生します。

台湾の人口は約2,350万人ですが、春節期間中の公共交通機関の延べ利用者数は数千万人に達し、まさに民族大移動が起こります。台湾高速鉄道(高鐵)のチケットは発売開始とともに数分で完売し、高速道路は通常の数倍の時間を要する大渋滞に見舞われます。この移動の波は、すべてが「家」という一点を目指して動くエネルギーなのです。

A vibrant display of traditional Asian parasols with floral designs in Taipei, Taiwan.

Photo by William Chen on Pexels

台湾社会を映し出す「春節」の文化的装置

春節は、台湾の歴史的背景と現代の社会情勢を理解するための重要な鍵となります。

魂の帰着点「除夕(大晦日)」と「囲炉(ウェイルー)」

大晦日の夜に行われる「年夜飯(囲炉)」は、単なる食事会ではなく、家族の絆を再確認するセレモニー的な色彩を帯びています。円卓という形そのものが象徴するように、この夜、人々は逃れがたい「家族の引力」によって中心へと引き寄せられます。かつての農業社会から受け継がれたこの引力は、現代においても台湾人のアイデンティティを繋ぎ止める最も強い精神的な拠り所となっています。

台湾の大晦日の夕食(年夜飯)の風景

現代の葛藤:伝統の「引力」と、個人主義の「反発」

同時に、この強固な引力は現代を生きる個人の価値観と激しく衝突します。親族から「結婚は?」「給料はいくらか?」といった過度な干渉を避け、あえてこの時期に海外旅行へ逃れる若者も増えています。伝統が強いる濃密な絆と、個の自由を守りたいという欲求の衝突――。春節の一週間には、そんな現代台湾社会の縮図が凝縮されています。

呪術的な「赤」と心理的カタルシス

街には赤い紙「春聯(チュンリェン)」があふれ、耳をつんざく爆竹の音が鳴り響きます。これらは古くから怪物「年(ニェン)」を追い払う魔除けでした。現代においてこの音と色は、一年の停滞を吹き飛ばす心理的なデトックスとして機能し、人々を新しい季節へと力強く押し出します。

台湾の春節 - 夜空を裂く爆竹と煙

春節の台北を旅する心得:コストと利便性の「高いハードル」

華やかな伝統の裏側で、この時期の台北はいつもの観光都市としての機能を一時的に休止します。正直なところ、コストパフォーマンスを重視する方にとって、この時期の旅行は最も過酷な選択肢といえるかもしれません。

旅費の急騰と予約の困難さ

まず直面するのが、旅費の急騰です。大手航空予約サイトや過去の価格推移データによると、航空券はLCCであっても平時の3〜4倍以上に跳ね上がります。普段なら手軽に泊まれる人気のホテルも、ハイシーズン料金として通常の数倍の価格設定になることが珍しくありません。

しかも、それだけの高値であっても予約は数ヶ月前から埋まり始め、直前には選択肢が全くないという状況に陥ります。この時期の滞在は、台北という街が本来の静寂を取り戻し、家族のために休息を取る姿を愛でる旅になると心得てください。

快適に過ごすための「旅の知恵(Travel Tips)」

春節の台北をスマートに歩くために、知っておきたい実用的なヒントをまとめました。

  • 移動のヒント: MRTは休日ダイヤで穏やかに運行しています。タクシーを利用する際は、通常料金に一律の特別加算(20〜50元程度)が行われる春節運賃が適用されます。これは祝祭日を支えるドライバーへの感謝の印。現地の文化に溶け込むように、スマートに支払いましょう。
  • 美食を楽しむヒント: 大晦日から元旦にかけては、多くの店が休みに入ります。頼もしい味方は、百貨店内のレストランやホテルのダイニングです。特にホテルの飲茶は、渡航が決まったらすぐに予約を。また、コンビニも春節限定の豪華なお弁当が並ぶグルメスポットに変わります。
  • 営業情報のヒント: お目当てのショップがある場合は、InstagramやFacebookで最新の営業スケジュールを必ずチェックしてください。台湾ではSNSでの発信が最も正確で早い情報源となります。

春節だからこそ出会える、台北の「非日常」スポット

高いハードルを越えた先には、この時期にしか出会えない魂に触れるような景色が待っています。

「龍山寺(ロンシャンスー)」の熱狂

元旦早朝、線香の煙で真っ白になった龍山寺(ロンシャンスー / Longshan Temple)を訪れてみてください。そこには、数千年前から変わらない純粋な祈りの形があります。人々の熱気と信仰心が作り出す圧倒的な空間は、一見の価値があります。

春節期間中の龍山寺(ロン山寺)

静まり返った台北の夜

大晦日の夜、あれほど賑やかだった街から車が消えます。これは単なる不在ではなく、人々がそれぞれの家という中心へ戻ったことを意味する、非常に豊かな静寂です。伝統の重みと家族の気配を感じられる、一年で最も特別な夜です。

Bustling night street in Taipei with bright city lights and urban activity.

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スクラッチくじ「刮刮樂」の熱気

道端で誰もがくじを削る姿は、春節特有の大衆文化の象徴です。刮刮樂(グアグアラ / Guaguale)と呼ばれるこのくじは、一攫千金の夢を楽しむ新年の恒例行事。街角の宝くじ売り場で、ぜひ運試しに挑戦してみてください。

結び:現代台湾に息づく文化の息吹

台湾の春節は、古い殻を脱ぎ捨て、新しい生命力を蓄えるための社会的な儀式です。不便さを文化の欠片として楽しむ心の余裕があれば、爆竹の煙に包まれた街の中に、力強く生きる現代台湾の文化の息吹を感じることができるはずです。

イベント名
台湾・春節(旧正月)
開催場所
台北市内全域(龍山寺、迪化街、信義エリアなど)
開催時期
旧暦に基づき毎年変動(2026年は2月14日〜22日)
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