氷点下の風が頬を刺す2月の韓国。吐く息が白くほどける極寒の季節でありながら、この時期のソウルは、街全体がピンクや赤の装飾に包まれ、冬の寒さを忘れさせるほどの熱気に満ちていきます。日本から伝わったバレンタイン文化を起点としながらも、韓国で独自の進化を遂げたその姿は、単なる恋愛イベントの枠を大きく超えています。今この瞬間、この季節の韓国でしか立ち上がらない熱狂の構造へ――観察者として、あなたをご案内します。
韓国のバレンタインデー(발렌타인데이)は、1980年代に日本から持ち込まれた習慣が、韓国固有のカップル文化と結びつくことで形作られてきました。特に「100日記念日(ペギルキニョミル/交際開始から100日目を祝う韓国独自のカップル記念日)」を重んじる文化は、愛情や感謝を節目ごとに確認し合う国民性を象徴しています。
2026年、2027年、2028年のバレンタインデーの日程
- 2026年2月14日(土) ※週末開催のため、社会現象としての盛り上がりを観察できる絶好の機会
- 2027年2月14日(日) ※週末開催のため、社会現象としての盛り上がりを観察できる絶好の機会
- 2028年2月14日(月)
この背景には、赤ちゃんの誕生から100日目を祝い、健やかな成長を願う伝統行事の存在があります。人生の節目を「日数」で丁寧に祝う価値観が、現代の恋愛文化にも自然に受け継がれ、バレンタインを街全体が巻き込まれる最大級の感情イベントへと押し上げているのです。

交際開始から100日目を祝う「100日記念日」。日数を重ねることそのものが、関係の深まりとして祝福される韓国ならではの愛のかたち。
とりわけ韓国らしさが凝縮されているのが、「パグニ(籠)」の文化でしょう。1990年代後半、コンビニの普及とともに定着したこのスタイルは、手作りチョコ以上に視覚的なインパクトを重視する若者の感性に応えるものでした。装飾の華やかさは、想いの大きさそのもの。誰かに贈ると同時に、周囲にも関係性が共有されることを前提としたこの文化は、ストレートな愛情表現を良しとする現代韓国の価値観を映し出しています。

豪華さは、そのまま想いの量。パグニ(籠)に託された視覚的なインパクトは、韓国バレンタインにおけるストレートな愛情表現を象徴しています。
現地で文化を体感する:韓国バレンタインの観察ポイント
ここからは、韓国独自のバレンタインを五感で捉えるための観察ヒントをご紹介します。文化的背景を知ったうえで街を歩けば、コンビニの棚一つ、ショーケース一つにも、この国ならではの熱量が立ち上がって見えてくるはずです。
韓国バレンタインで撮るべき限定スポット
特別な日を「記録する」ことが自然な文化として根付く韓国では、写真そのものが体験の一部です。当日予約なしで利用できるセルフ写真館では、バレンタイン限定のハートモチーフのフレームや小道具が揃い、韓国でしか残せない一枚を気軽に撮影できます。友人同士でホテルに滞在する“ホカンス”も、この季節ならではの空間演出を記録する絶好の機会です。
現地でしか買えないおすすめの限定ギフト
午前中は、汝矣島(ヨイド)のザ・現代ソウル(The Hyundai Seoul)など大型モールを訪れてみましょう。バレンタイン時期にはトレンドのスイーツ専門店が期間限定で集結し、韓国独自の感性で再解釈されたギフトを効率よく探せます。一方、街中のコンビニに並ぶパグニは価格帯も幅広く、贈る側の想いがそのまま可視化されるダイナミックな光景に圧倒されるはずです。
イベント文脈で再発見するソウルの人気エリア
午後は、聖水(ソンス)や延南洞(ヨンナムドン)のカフェで、バレンタイン限定の芸術的なスイーツを味わってみてください。夜は南山(ナムサン)ソウルタワーへ。名物の「愛の南京錠」が並ぶフェンスは、この日ばかりは観光地を超えた象徴的な場所となります。週末開催の2026年は特に混雑が予想されるため、余裕を持った計画がおすすめです。
スポット概要

2月のソウル、市内コンビニに出現するバレンタイン特設コーナー。日常の買い物空間が一変し、ギフトと感情が所狭しと積み上げられる。その密度こそが、韓国バレンタインのリアルな熱量を物語っている。
- ソウル市内の各コンビニ(GS25, CU, 7-Eleven)
- 24時間営業。2月初旬からは、バスケットやキャラクターコラボ商品の特設コーナーが屋外にまで広がり、韓国バレンタインの熱量を最も身近に体感できます。
- ザ・現代ソウル(The Hyundai Seoul)
- 地下1階の食品フロアは、バレンタインシーズンの注目エリア。国内外の人気スイーツブランドが集結する光景は、現代韓国のギフト文化を象徴しています。
- 南山ソウルタワー(N Seoul Tower)
- 夜景の名所。バレンタイン当日は、単なる観光地ではなく「愛を確認し合う場」としての意味合いが強まります。厳しい寒さと混雑を想定し、防寒対策を万全にしたうえで訪れましょう。

バレンタイン時期の大型百貨店の地下フロア。期間限定スイーツが一堂に集まり、洗練された空間そのものが「贈る文化」を体現する。韓国バレンタインが、都市の消費シーンとして立ち上がる瞬間。

