
バンコク北部に位置するドンムアン空港(DMK)は、タイ国内線や近距離国際線の拠点として多くの旅行者に利用されています。市内中心部へのアクセスは、バス、タクシー、鉄道など多様な選択肢があり、予算や時間、旅のスタイルに合わせて選ぶことができます。
この記事では、ドンムアン空港からバンコク市内へのおすすめの移動手段を徹底解説。初めての方でも安心して移動できるよう、料金や所要時間、支払い方法、便利なプリペイドカード情報まで詳しくご紹介します。スムーズな移動で、快適なバンコク滞在をスタートさせましょう。
ドンムアン空港(DMK)のターミナル情報
ドンムアン空港には2つのターミナルがあり、それぞれ国際線と国内線で使い分けられています。
- 第1ターミナル
- 国際線が主に発着します。
- 第2ターミナル
- 国内線が主に発着します。
両ターミナル間は、建物内で連絡通路を通じて徒歩で移動が可能です。また、無料のシャトルバスも運行しています。ご自身のフライトがどちらのターミナルに到着するかを事前に確認しておくと、スムーズに移動手段へアクセスできます。
空港からの主要アクセス手段
ドンムアン空港から市内へは、バス、電車(SRTダークレッドライン、タイ国鉄)、タクシー、配車アプリなど、様々な移動手段があります。ご自身の予算や滞在エリア、時間帯に合わせて最適な方法を選びましょう。

コラム:ドンムアン空港での両替とATM

- 両替
- 主要なタイの銀行(KASIKORNBANKなど)や、レートが良いことで知られるSuperrichなどの両替所が空港内にあります。到着ロビーや出発ロビーの各所に設置されており、一部は24時間営業しています。
- ATM
- 国際ブランド(Visa、Mastercard、JCBなど)のクレジットカードやデビットカードでキャッシングが可能なATMが多数設置されています。KASIKORNBANKなど、多くの銀行のATMが利用可能です。到着ロビーの荷物受取所や各ターミナルの出口付近など、様々な場所にあります。

空港バス(Public Bus: A1, A2, A3, A4)
最も経済的な選択肢の一つが空港バスです。バンコク大量輸送公社(BMTA)が運行しています。
- 乗り場
-
- 第1ターミナル(国際線): 到着フロア(1階)の6番出口付近にバス停があります。
- 第2ターミナル(国内線): 到着フロア(1階)の12番出口付近にバス停があります。
注意: 2025年3月より、エアポートバスの乗り場がサービスホールビル1階に変更されているとの情報もあります。最新の情報は、空港内の案内表示や係員にご確認ください。

ルート | 行き先(主要経由地) | 料金(目安) | 所要時間(目安) | 運行時間(目安) |
---|---|---|---|---|
A1 | BTSモーチット駅、チャトゥチャック・バスターミナル | 30バーツ | 30〜45分 | 05:45〜24:00 |
A2 | 戦勝記念塔(ビクトリーモニュメント) | 30バーツ | 45〜60分 | 06:00〜23:00 |
A3 | ルンピニー公園(プラトゥーナム、サイアム経由) | 50バーツ | 60〜90分 | 06:20〜23:00 |
A4 | カオサン通り、サナームルアン | 50バーツ | 60〜90分 | 06:10〜23:00 |
支払い方法: バス乗車時に車掌に現金で支払います。一部のバスではクレジットカードやデビットカードでの支払いが可能な場合もありますが、現金を用意しておくのが確実です。空港のチケットカウンターでも購入できる場合があります。
- 公式サイト
- バンコク大量輸送公社(BMTA)の公式サイトで路線図や運行情報が確認できます。
Bangkok Mass Transit Authority (BMTA) (タイ語・英語)
エアポート・リモバス・エクスプレス(LimoBus Express)

「LimoBus(リモバス)」は、公共の空港バスよりも快適で、主要なホテルエリアへ直行するプレミアムなバスサービスです。荷物スペースも広く、移動中の快適さを重視する方におすすめです。
- オンライン予約
- 信頼できる旅行代理店やオンライン旅行会社(OTA)のサイトを通じてオンライン予約が可能です。
空港到着後、チケットカウンターで直接購入することも可能ですのでご安心ください。
- 乗り場
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- 第1ターミナル(国際線): 到着フロア(1階)の6番出口付近のチケットカウンターでチケットを購入後、指定の乗り場へ。
- 第2ターミナル(国内線): 到着フロア(1階)の12番出口付近のチケットカウンターでチケットを購入後、指定の乗り場へ。
ルート | 行き先(主要降車地点) | 料金(目安) | 所要時間(目安) | 運行時間(目安) |
---|---|---|---|---|
ルート1 | カオサン通りエリア | 150バーツ | 45〜70分 | 09:00〜24:00(約1時間おき) |
ルート2 | プルンチット、ルンピニー公園方面 | 150バーツ | 50〜80分 | 09:00〜24:00(約1時間おき) |
支払い方法: チケットカウンターで現金またはクレジットカードで支払います。事前オンライン予約も可能です。
鉄道(SRTダークレッドライン、およびタイ国鉄)
ドンムアン空港からは、新しく開通した「SRTダークレッドライン」と、従来から運行している「タイ国鉄」の2種類の鉄道を利用できます。
SRTダークレッドライン(SRT Dark Red Line)
SRTダークレッドラインは、渋滞を避け、バンコク中心部へ快適に移動できる新しい高架鉄道です。日本の技術支援も得て建設された、比較的新しい路線で、エアコン完備の快適な車両が特徴です。
なお、終点である旧バンスー駅は、2022年9月に「クルンテープ・アピワット中央駅」に名称が変更され、2023年1月19日から本格的な運用が開始されています。
- 開通情報
- SRTダークレッドラインは、2021年8月2日に無料試運転が開始され、同年11月29日に本格的な商業運行が開始されました。
- 乗り場(ドンムアン駅)
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SRTダークレッドラインのドンムアン駅は、ドンムアン空港の建物に直結しています。
- 第1ターミナル(国際線)を利用する場合:2階(出発フロア)に直結する高架の連絡通路を利用するのが最も便利です。この連絡通路は、空港のチェックインカウンターがあるフロアから直接アクセスでき、駅の改札階へと続いています。
- 第2ターミナル(国内線)を利用する場合:第1ターミナルとの連絡通路を利用して、第1ターミナルへ移動後、2階の連絡通路を目指してください。
空港内の案内表示で「SRT Red Line」または「Train」の表示に従って進めば迷うことはありません。駅は高架上にあり、天候に左右されずにアクセスできます。
区間 | 料金(目安) | 所要時間(目安) | 運行時間(目安) |
---|---|---|---|
ドンムアン駅〜クルンテープ・アピワット中央駅 | 12〜42バーツ(距離による) | 約20〜22分 | 05:00〜24:00(約10〜15分間隔) |
支払い方法: 駅の券売機または窓口で現金、またはMastercard、Visa、JCBの非接触型(タッチ決済)クレジットカード/デビットカードを利用できます。
- 公式サイト
- SRTエレクトリファイドトレイン (SRTET) が運営しています。
SRT Electrified Train (SRTET) (タイ語・英語)
タイ国鉄(State Railway of Thailand: SRT)
タイ国鉄のドンムアン駅は、SRTダークレッドラインの高架駅とは異なり、地上にある古い駅です。バンコク中央駅であるフアランポーン駅(Hua Lamphong)へ向かう在来線の列車が発着します。運賃が非常に安価な反面、冷房がない車両も多く、遅延が多い傾向にあります。
- 乗り場(ドンムアン駅)
-
ドンムアン空港から陸橋を渡ってアクセスします。SRTダークレッドラインの駅のさらに下、地上にホームがあります。案内表示に従って進むか、駅係員に確認してください。
SRTダークレッドラインの駅からは少し離れており、高架下の道を歩く必要があります。
区間 | 料金(目安) | 所要時間(目安) | 運行時間(目安) |
---|---|---|---|
ドンムアン駅〜フアランポーン駅 | 5バーツ〜(列車種別による) | 40〜60分以上(遅延多し) | 早朝〜深夜(本数少なめ) |
支払い方法: 駅の窓口で現金で購入します。
- 公式サイト
- タイ国鉄の公式サイトで時刻表やチケット購入が可能です。
State Railway of Thailand (SRT) (タイ語・英語)
SRTダークレッドライン駅とタイ国鉄駅の違い
特徴 | SRTダークレッドライン ドンムアン駅 | タイ国鉄 ドンムアン駅 |
---|---|---|
位置 | 空港に直結した高架上(主に第1ターミナル2階からアクセス) | 空港から陸橋を渡った地上(古い駅舎) |
路線 | 新しい都市鉄道「ダークレッドライン」 | 在来線(北本線、東北本線などの一部列車) |
目的地 | クルンテープ・アピワット中央駅(新中央駅) | フアランポーン駅(旧中央駅) |
車両 | 近代的でエアコン完備の電車 | 古い車両、エアコンなしの車両も多い |
本数 | 約10〜15分間隔で高頻度運行 | 本数が少なく、遅延が多い傾向 |
料金 | 距離に応じた料金(やや高め) | 比較的安価 |
利便性 | 快適でスムーズな移動が可能 | 時間に余裕があり、タイの雰囲気を味わいたい方向け |
タクシー
ドンムアン空港から市内への移動で、最も手軽でプライベートな移動手段です。
- 乗り場
- 第1ターミナル(国際線)・第2ターミナル(国内線)共に、到着フロア(1階)の指定タクシー乗り場から乗車できます。案内表示に従って、整理券が発券される場所へ進んでください。カウンターで目的地を伝えると、ドライバーが案内されます。
区間 | 料金(目安) | 所要時間(目安) |
---|---|---|
ドンムアン空港〜バンコク市内中心部 | 300〜500バーツ + 空港チャージ50バーツ(高速料金は別途) | 30〜45分(交通状況による) |
支払い方法: 通常は現金払いですが、一部のタクシーではクレジットカードも利用できます(手数料がかかる場合が多い)。
配車アプリ(Grabなど)
Grabなどの配車アプリを利用すれば、アプリ内で目的地を設定し、事前に料金を確認できるため、安心して利用できます。
- 乗り場
- アプリで配車確定後、指示された指定のピックアップ場所で運転手と合流します。通常、タクシー乗り場とは異なる専用のピックアップエリアが設けられています。アプリの指示をよく確認してください。
支払い方法: アプリに登録したクレジットカードやデビットカード、またはアプリ内ウォレットでの支払いが一般的です。
- 公式サイト
- Grabなどのアプリは、各アプリストアからダウンロードして利用します。
リムジン・レンタカー
より快適でプライベートな移動を求める方には、リムジンサービスやレンタカーも選択肢になります。
- 乗り場
- 到着ロビー(1階)に各社のカウンターがあります。事前に予約している場合は、カウンターで手続きを行い、指定された場所で車両と合流します。
支払い方法: 主にクレジットカードまたは現金。事前に予約・オンライン決済が可能です。
- 公式サイト
- 各レンタカー会社(Avis, Hertz, Budgetなど)やリムジンサービス会社の公式サイトをご確認ください。
コラム:バンコクの交通系ICカード「ラビットカード」について
バンコクの公共交通機関では、様々な交通系ICカードが存在しますが、旅行者に最もよく利用されるのはBTSスカイトレインの「ラビットカード(Rabbit Card)」です。ドンムアン空港の空港バスやSRTレッドラインでは直接利用できませんが、市内でのBTSの利用に非常に便利です。
- ラビットカードとは
- BTSスカイトレインで利用できるプリペイド式のICカードです。BTSの乗車だけでなく、提携しているコンビニエンスストアや飲食店などでの支払いにも利用できます。
- 購入方法
- BTS各駅の窓口で購入できます。初回購入時に200バーツ(発行手数料100バーツとチャージ100バーツ)が必要です。パスポートなどの身分証明書の提示を求められます。
- チャージ方法
- BTS各駅の窓口や自動券売機、Rabbit LINE Pay対応のチャージ機などでチャージできます。最低チャージ金額は100バーツ、最大4,000バーツまでチャージ可能です。現金でのチャージが基本ですが、一部ではクレジットカード/デビットカードを使ったチャージも可能です。
- 利用方法
- 改札機の読み取り部分にカードをタッチするだけで、乗降できます。
- 公式サイト
- BTS公式サイト(How to purchase a new Rabbit card)
ドンムアン空港の詳細地図
ドンムアン空港の概要
- 空港名
- ドンムアン国際空港 (Don Mueang International Airport: DMK)
- 空港の住所
- 222 Vibhavadi Rangsit Road, Sanambin Subdistrict, Don Mueang District, Bangkok 10210, Thailand
- 公式サイト
- Don Mueang International Airport
- Don Mueang International Airport
- X
- Airports of Thailand Plc. (AOT) ※ドンムアン空港の運営会社、タイ空港公団(Airports of Thailand Plc.)のアカウント。