2025年10月6日(月)香港の中秋節:摩天楼を彩るランタンの光、伝統が息づく幻想の夜へ

中国風の東屋とモダンな摩天楼と満月

旧暦8月15日、アジアの夜空に輝く満月は、どの街にも特別な彩りをもたらします。なかでも香港の中秋節(中秋節 / Zungcāu Zit)は、世界有数の摩天楼が放つ現代的な光と、古くから伝わるランタンの温かい光が織りなす、唯一無二の「光の祭典」です。

ビクトリアパークの大規模なランタンカーニバルや、街角を彩る様々なデザインの月餅、そして歴史あるエリアに息づく伝統行事も楽しめます。この記事では、煌めく香港の夜景と、そこに息づく中秋節の伝統がどのように融合し、訪れる人々を魅了する様子を紹介します。心ときめく香港の夜、中秋節ならではの特別な光景を体験してみましょう。

2025年、2026年、2027年の中秋節の日程

  • 2025年10月6日(月)
  • 2026年9月25日(金)
  • 2027年9月15日(水)

中秋節は、旧暦の8月15日にあたります。毎年日付が変わりますので、旅行の計画を立てる際は以下の日程を参考にしてください。

中秋節のルーツ:月を愛でる文化は香港と日本でどう違う?

中秋節は、旧暦の8月15日、一年で最も月が美しく、豊かさの象徴として輝く時期に祝われる、中華圏にとって非常に大切な伝統行事です。その起源は古く、古代中国で月を崇拝し、豊かな収穫に感謝する習わしに由来すると言われています。家族や親しい人々が一堂に会し、共に月を愛で、分かち合うことで、「家族団欒(だんらん)」と幸福を願う意味合いが込められています。

この「月を愛でる文化」は、日本にも深く根付いています。日本で広く親しまれている「十五夜」や「お月見」も、実はこの中国の中秋節と同じルーツを持つ行事です。日本の十五夜では、ススキを飾り、収穫したばかりの里芋や栗、そして米粉で作った月見団子を供え、静かに月を眺めます。一方、中華圏では、月餅(ユエットベン)を家族で分け合って食べるのが定番です。同じ月を愛でる文化も、地域ごとに独自の発展を遂げています。

スタイリングされた多様な月餅

香港中秋節の主役:摩天楼を彩るランタンカーニバル

香港の中秋節で最も目を引くのは、街全体が色とりどりの光で満たされる壮大なランタンカーニバルです。特に、香港島にあるビクトリアパーク(維多利亞公園 / Wàidūlìyà Gōngyuán)で毎年開催される大規模なイベントは必見。無数の光のアートが公園全体を彩ります。

香港・ビクトリアパークで中秋節の夜のランタン風景

ビクトリアパークの賑わいとアクセス情報

中秋節当日はもちろん、その前後の一週間ほどは、ビクトリアパークは多くの人で賑わいます。特に夜は、幻想的な光景を一目見ようと、家族連れや観光客で大いに盛り上がります。

最寄りのMTR(地下鉄)「天后(Tin Hau)」駅から徒歩数分で、アクセスは非常に便利です。イベント期間中は、駅構内や周辺に誘導員が配置されることも多く、人の流れに沿って進めば迷うことはほとんどありません。また、ランタンの光が最も美しく輝くのは、やはり日が暮れてからです。ただし、ピークタイム(夜7時〜9時頃)は特に混み合うため、少し早めの夕方に到着し、ゆっくりとランタンを見て回るのがおすすめです。

夜になると、人々は思い思いのランタンを手に公園を散策します。子供たちは、伝統的な魚やウサギの形をしたランタンを提げてはしゃぎ、大人たちは幻想的な光景の中で写真撮影を楽しんだり、月餅を分け合ったりします。高層ビル群の煌びやかな夜景を背景に、ランタンの温かい光が揺れる様子は、まさに香港ならではの「光の饗宴」と言えるでしょう。

香港グルメのもう一つの顔:進化する月餅文化

中秋節といえば、やはり月餅は外せません。香港は月餅の一大消費地であり、その種類と品質は世界でもトップクラス。伝統的なものに加え、近年は斬新なフレーバーやデザインの月餅も登場しています。

香港の高級ホテルブランドの、豪華でエレガントなデザインの月餅ギフトボックス

月餅の価格と購入のポイント

伝統的な老舗の月餅から、斬新な創作月餅まで、その種類は多岐にわたります。参考として、価格帯の目安は以下の通りです。

  • 伝統的な老舗の月餅: 何十年も変わらない製法で作られる月餅は、その歴史と重みが味に表れています。贈答用としても非常に人気が高く、中秋節の数ヶ月前から予約が始まるほどです。価格帯は、4個入りのギフトボックスでHK$200〜400程度が一般的です。
  • 斬新な創作月餅: チョコレート、アイスクリーム、さらにはトリュフやフォアグラといった高級食材を使ったもの、ミニサイズで多様なフレーバーを楽しめるものなど、各ホテルやパティスリーが趣向を凝らした月餅を発表します。ホテルブランドや高級版のものは、4個入りでHK$400〜800以上になることもあります。
  • お土産にも最適: 美しい箱に詰められた月餅は、中秋節の時期に香港を訪れたらぜひ手に入れたいお土産の一つ。空港やデパート、専門の菓子店で手軽に購入できます。
香港の中秋節の時期、美しく装飾された菓子店

香港中秋節をより深く楽しむヒント

中秋節の時期に香港を訪れるなら、以下のポイントを抑えて、その特別な雰囲気を満喫しましょう。

  • ビクトリアパークのランタンカーニバルへ: 開催期間は中秋節前後の一週間ほどが一般的です。夜の散歩がてら、幻想的な光の祭典を体験してみてください。特に中秋節当日とその前夜は最も賑わいます。
  • 「舞火龍(ファイヤー・ドラゴン・ダンス)」: 香港島の大坑(タイハン)地区では、数百人の男たちが線香を差し込んだ巨大な藁の龍を操り、街を練り歩く「舞火龍」という伝統行事が行われます。その起源は19世紀の疫病退散に遡ると言われ、中秋節のハイライトの一つです。開催日程は年ごとに異なるため、事前確認が必要です。
  • 月餅を食べ比べ: 老舗の伝統的なものから、ホテルの豪華な創作月餅まで、様々な月餅を食べ比べてみるのも楽しいでしょう。
  • 高層ビルからのお月見: ビクトリア・ピークやルーフトップバーなど、高層ビルからの夜景スポットで月を眺めるのも、香港ならではの中秋節の過ごし方です。
香港の「大坑舞火龍」

中秋節に関するFAQ

  • Q. 中秋節は香港の祝日ですか?
    A. 中秋節当日は香港の公休日ではありませんが、翌日が公休日となるため、多くの企業や学校は休みになります。公共交通機関は通常通り運行しており、夜間はランタンカーニバルに合わせて増便されることもあります。
  • Q. 中秋節に香港を旅行すると、お店は閉まっていますか?
    A. 主要な観光地やショッピングモール、多くのレストランは通常通り営業しています。個人商店や一部の飲食店は休業する場合がありますが、観光に支障はほとんどありません。
香港の夜景の美しい空撮写真

煌めく摩天楼の夜景と、温かいランタンの光が融合する、香港ならではの中秋節。家族や友人と過ごす夜は、忘れられない旅の思い出となるでしょう。香港ならではの中秋節、光の祭典の雰囲気をぜひ現地で体験してみましょう。

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