「冬の韓国旅行って、とにかく寒そう……」と、少し不安に思っていませんか?確かに2月の空気はキリッと冷たいですが、実はこの時期の韓国には、他では味わえない静けさと凛とした情緒が漂っています。
その象徴が、二十四節気の始まりである「立春(イプチュン/입춘)」。暦の上で春の幕開けを祝うこの日は、お正月とはまた違う、暮らしの節目を慈しむ温かな文化に触れられる絶好のチャンスです。自分自身の幸せを願いながら、冬から春へと移り変わる韓国をそっと味わってみませんか?
韓国の立春とは:心に「幸運」を呼び込む立春帖(イプチュンチョッ)の風景
立春の日、韓国の街を歩いていると、伝統的な家屋の門に白いお札が貼られているのを目にするはず。これは「立春帖(イプチュンチョッ/입춘첩)」と呼ばれるもので、新しい一年の幸せを願う、日本の「立春大吉」にも似た素敵な習慣です。漢字で書かれているので、私たち日本人にとってもどこか親近感が湧いて、ほっとしますよね。
特によく見かけるのは「立春大吉 建陽多慶(イプチュンデギル、コニャンダギョン/입춘대길 건양다경)」という言葉。「春とともに大きな幸運が訪れ、おめでたいことがたくさん起きますように」という意味が込められています。
朝の空気が澄んだ時間帯、北村韓屋村(プッチョンハノクマウル/북촌한옥마을)などを散策すると、人が少ない中でこの情緒あふれる風景をひとり占めできるので、旅の思い出の一枚としても本当におすすめです。
旅の計画:2026年、2027年、2028年の立春の日程
立春の風景に出会うための具体的な日程をチェックしましょう。韓国では旧正月(ソルラル/설날)と立春が近い日程になることもあります。お店の営業状況などが変わる場合もあるため、事前に祝日カレンダーを確認しておくと安心です。
- 2026年2月4日(水)
- 2027年2月4日(木)
- 2028年2月4日(金)
立春を満喫できる体験スポット:冬の終わりの景色を訪ねて
立春の情緒を楽しみつつ、寒さを避けて快適に過ごせるスポットを選んでみました。
- 国立民俗博物館(クンニッミンソッパンムルグァン/국립민속박물관):屋内展示がメインなので、凍えるような寒い日でも安心してゆっくり見学できます。滞在目安は1〜2時間。立春帖を書くパフォーマンスは屋根のあるエリアで行われ、伝統の迫力を間近で体感できます。
- 南山コル韓屋村(ナムサンゴルハノクマウル/남산골ハノクマウル):ソウル中心部でアクセスが良く、30分〜1時間程度の散策にちょうどいいサイズ感。伝統遊びの体験は、一人旅でも気軽に参加できる温かな雰囲気です。
- 北村韓屋村(プッチョンハノクマウル):実際の生活圏のため、午前中の静かな時間帯の散策がベスト。門に貼られた本物の立春帖を探しながら、SNS映えする写真が撮れる人気エリアです。

立春の北村韓屋村
大人旅のたしなみ:韓屋村でのマナー
北村韓屋村などは居住区でもあります。静かに見学するマナーを大切にすることが、この美しい風景を守ることにも繋がります。
- 済州島(チェジュド/제주도)の祝祭:本土より少し暖かい済州島では、華やかな祝祭が開催されます。ソウルからは飛行機移動が必要で、日帰りは難しいため、2泊3日程度の別日程でゆったり訪れるのが女子旅にはおすすめです。
立春五辛パン(オシンパン):5つの刺激的な山菜料理で、旅の胃疲れをリセット
立春に欠かせないのが、セリやナズナといった春の芽吹きを感じる山菜を和えた「立春五辛パン(イプチュンオシンパン/입춘오신반)」というお料理。冬の間に不足しがちだったビタミンを補って、心身をシャキッと目覚めさせてくれる健康的なメニューです。「体にいいものを食べて、邪気を払い、元気に過ごす」という韓国らしい考え方が嬉しいですね。
この時期のレストランでは、旬の山菜をたっぷり使ったビビンバ(비빔밥)として登場することが多く、日本人の口にも合いやすいので安心。韓国旅行はどうしてもお肉料理や重ためのメニューが多くなりがちですが、この「春の味覚」は胃を軽くしてくれて、食べ過ぎをリセットしたい女子旅にもぴったり。ひと口ごとに体が整い、翌日の街歩きがぐんと楽になるようなエネルギーをチャージできます。

旬の山菜ビビンバ(立春五辛パン)
2月のソウル気温は「氷点下」が当たり前。賢く防寒して楽しむ冬の終わり
暦の上では「春」ですが、実はこの時期の韓国は一年でもっとも冷え込みが厳しいタイミング。2月のソウル気温は最高気温でも氷点下という日も珍しくありません。韓国には「立春の寒さは、甕(かめ)さえ割ってしまう」ということわざがあります。水が凍って陶器の甕が割れるほど寒い、という猛烈な「立春寒波(イプチュンハンパ/입춘한파)」を警告する言葉です。
でも、しっかり準備さえしておけば大丈夫。室内に入れば床暖房(オンドル/온돌)でどこもポカポカなので、外との温度差を味方につけるのが賢い楽しみ方です。服装は、現地の女性たちをお手本に、膝下まである黒のロングダウン、現地で「ペディン(패딩)」と呼ばれるコートにブーツを合わせるのが鉄則。首元をマフラーでしっかりガードすれば、厳しい寒さの中でも街歩きを驚くほど快適に楽しめます。「寒いからこそ、温かいものが美味しい」――そんなポジティブな気持ちで、この時期ならではの景色を見つけに行きましょう。

伝統茶院でのティータイム
旅のヒント:自分を癒やす、立春前後の「安心」Tips
- カフェ代わりに伝統茶院(チョントンチャウォン/전통찻집)へ:凍えた体には「生姜茶(センガンチャ/생강차)」や、ナツメの甘みが優しい「双和茶(サンファチャ/쌍화차)」を。お茶というよりスイーツ感覚で飲みやすく、体の芯からポカポカになります。
- SNS投稿のワンポイント:立春帖の写真は、ハッシュタグ「#韓国旅行 #ソウル旅行 #立春 #입춘」を添えて。文字入りの写真はSNSでも「おしゃれで文化的な旅」として目を引きます。
- 屋内行事を狙う:博物館のイベント時間を事前に調べておけば、外で待ちぼうけすることなく、効率よく温かい場所で伝統文化に触れられます。
- イベント名
- 立春(イプチュン)
- 時期
- 毎年2月4日頃(防寒は真冬モードで!)
- 楽しみ方
- 北村韓屋村の朝散策、博物館での立春帖体験、旬の山菜ビビンバなど
- 服装
- ロングダウン(ペディン)、厚手のタイツ、ブーツ。完全防寒が快適な旅の鍵です
厳しい冬のピークにありながら、そっと新しい季節への願いを託す。そんな韓国の「立春」は、忙しい日常を忘れて心をリセットしたい一人旅や、大切な友人と健康を願い合う旅にぴったりです。しっかりと温かな準備を整えて、静かで美しい韓国の春の始まりを、ぜひ体感してみてください。

