ミャンマーの携帯電話・SIMカード

SIM Card

1日や2日だけのミャンマー滞在なら、ポケットWIFIのレンタル、あるいは携帯/スマホのローミングサービスを利用する方法があります。

しかし、ミャンマーをある程度の期間、旅行するならば、SIMロックフリーのスマホとミャンマーで使えるSIMカードを準備した方が、トータルに見るとグッと安上がりになります。

ミャンマー旅行で使えるSIMのカードについて解説します。

ミャンマーの携帯電話事情

ミャンマーでは、長らく国営のミャンマー郵電公社(Myanmar Posts and Telecommunications、略称:MPT)が携帯電話事業を含む電気通信事業者を独占していました。

MPTは、電気通信事業者として、固定電話、移動体通信、国際通信等、総合的な通信サービスを提供している事業者です。

MPTによる独占状態が終わりを告げたのは、2011年に民政へ移管してからです。ミャンマー政府は2013年6月27日、外国企業の移動体通信事業への参入を許可。ミャンマーにおける通信の自由化が始まりました。

具体的には、カタールに本拠を置くOoredoo(オレドー)とノルウェーに本拠を置くTelenor(テレノール)の2社が事業免許を取得しています。

さらに、2017年1月にはベトナム国防省が運営するViettelグループが出資するミャンマー・ナショナル・テレコム・ホールディング(Myanmar National Tele & Communications:MNTC。後にTelecom International Myanmarに社名変更)がミャンマーで4社目の通信事業免許を取得しています。

こうした通信の自由化により、外資主導の形で価格競争が起こり、利用料金が大幅に下がったこと、また第4世代(4G)サービスを導入などを理由に、2014年から2016年にかけてミャンマーの携帯電話は急速に普及しています。

ミャンマーの携帯電話の普及率は、ほぼ100%に近い数字と言われています。

なお、新規参入事業者であるTelenor、Ooredoo、そしてTelecom International Myanmarの3社とも固定電話サービスを提供する権利を有していますが、現状では、国営のMPTのみのが固定電話サービスを提供しています。

各社の特徴

MPT(ミャンマー国営郵便・電気通信事業体(MPT)

MPTのロゴ

国営の通信事業者であるMPT(Myanmar Posts and Telecommunications)は、CDMA、GSM、W-CDMA等、多方式によるサービスを提供しています。

2013年に外国資本に対して移動体通信事業への参入を許可され、通信の自由化がスタートしてからは、MPTは対抗するため、2014年7月に日本のKDDIと提携すると発表。

具体的には、KDDIとKDDIは住友商事がそれぞれ50.1%と49.9%の割合で合弁企業を設立し、MPTと共同で移動電話事業を進めることにしています。

MPTは、2016年10月にはLTEサービスを開始しています。

2017年10月現在、ネットワークの人口カバレッジは98%に達しています。

MPTは、ミャンマー国内のすべての州・管区でサービスを提供することを目指して、全国の通信網の拡充・改善を進めています。

ユーザーからは、通話が非常に安定している、という評価を受けています。

3G W-CDMA
900Mhz(Band 8)
2100MHz(Band 1)
4G LTE
1800MHz(Band 3)

公式サイト:MPT(ミャンマー語、英語)

Ooredoo(オレンドー)

Oorendoのロゴ

カタール資本のOoredoo(オレドー)は、2014年8月にW-CDMA方式の3Gサービスを開始しています。

2016年3月からは、ミャンマーで初めてLTEサービスもスタート。

2020年6月現在、Ooredoo(オレンドー)のネットワークの人口カバレッジは約96%に達しています。

Ooredooは5Gサービスにも意欲的で、2020年9月に中国の中興通訊(ZTE)と協力し、ミャンマー初となる5Gテクノロジーの実体験デモを実施しています。

ヤンゴンで行われた通信速度テストでは、2.6GHz帯及び3.5GHz帯の周波数利用で、下り通信速度は最大で1.75Gbpsに達しています。

3G W-CDMA
900Mhz(Band 8)
2100MHz(Band 1)
4G LTE
1800MHz(Band 3)

公式サイト:Ooredoo Myanmar(英語、ミャンマー語)

Telenor(テレノール)

Telenorのロゴ

ノルウェー資本のTelenor(テレノール)は2014年9月にGSMとW-CDMA方式によるサービスを開始しています。

続いて、2017年6月からはLTEサービスもスタート。

音声、データ通信に加えて、付加価値サービス及び海外通話も提供しています。

2019年6月には全国向けに商用VoLTEサービスの提供をスタートさせています。

2020年6月末現在、ミャンマー全土に7,395基のLTE基地局を構築しており、307に及ぶタウンシップにおける人口カバレッジは92%を超えています。

海外からの旅行者の間では、インターネット利用(データ通信)では価格が一番安いことなどから、ノルウェー資本のTelenor(テレノール)が一番人気です。

3G W-CDMA
900Mhz(Band 8)
2100MHz(Band 1)
4G LTE
1800MHz(Band 3)

公式サイト:Telenor Myanmar(英語)

Mytel(Telecom International Myanmar)

Mytelのロゴ

ベトナム資本が入ったミャンマー国軍系のTelecom International Myanmarは2018年3月より、Mytel(マイテル)のブランド名でサービスを開始しています。

2018年6月からはLTE商用サービスを正式にスタート。

Mytelは2019年7月に中国通信機器ベンダー大手の華為技術(HUAWEI)の協力のもと、5Gのテストを行っています。

最大で1.6Gbpsに達する下り通信速度を実現しており、2019年には商用サービスを他社に先駆けて開始しています。

Mytelは、ミャンマーで「イーシム(eSIM)」と「VoLTE」のサービスも提供しています。

ミャンマーで通信事業を展開する4社の中では一番の後発になりますが、急速にユーザーを拡大しています。

公式サイト:Mytel(英語、ミャンマー語)

ミャンマーでおすすめのSIMカードはどれ?

ミャンマーでSIMカードを購入する場合、MPT、Telenor、Ooredoo、Mytelの4社のいずれかのSIMカードが選択肢となります。

ヤンゴン、マンダレーなどの大都市を始め、外国人旅行者が訪れることができるミャンマーの都市・地域では、4社いずれのSIMカードで、問題なく使用できるハズです。

SIMカード選びで重要なのは、以下のポイントです。

  • 利用期間
  • データ通信の容量
  • 価格

ミャンマーでは、高級ホテルからバックパッカー向けの格安ゲストハウスに至るまで、おそよ外国人旅行者が宿泊できる施設では、必ずと言っていいほど無料WiFiサービスが提供されています。

そこで、宿では無料のWiFiを利用し、外に出るときだけSIMカードを利用するという形になります。

そのため、1週間から10日間ほどミャンマーに滞在・旅行する場合、データ通信量は3MBから5MBあれば、ほとんどの場合、問題ないハズです。

ミャンマーのSIMカードのプラン内容は、日本と比較すると、各社とも驚くほど格安です。不安があるならば、多少、多めのデータ通信容量のプランを選択するのも有りです。

テレノールのツーリストSIMカード「Telenor Tourist SIM」

Telenor(テレノール)のツーリスト用のSIMカード「Telenor Tourist SIM」を例に取ると、以下の通りです。

料金 有効期間 データ通信量 備考
6,500チャット(約434円) 30日間 5GB 無料通話付き(時間上限有り)

参照 https://www.telenor.com.mm/en/personal/tourist-sim

データ通信の容量などは、電話アプリから「*124*1#」とダイヤルすることで確認することができます。

もし、データ通信の容量を使い切った場合でも、街中にある携帯ショップ等でトップアップ(チャージ)することができます。

トップアップできる金額は、1,000チャットから100,000チャットまで。

なお、「Telenor Tourist SIM」カードの有効期限は30日間ですが、期間中にトップアップすることで、さらに30日間延長となります。

ミャンマーのSIMカードはどこで購入できるの

ミャンマー政府は2019年4月より、SIMカードを購入するすべてのユーザーに国民登録証(National Registration Card:NRC)もしくはパスポート等による身分証明を提示して登録することを要請しています。

また、1人当たりのSIMカード購入は2枚までという制限を設けています。

国営のMPT、カタール資本のOoredoo(オレドー)、ノルウェー資本のTelenor(テレノール)の3社は、ヤンゴン国際空港、およびマンダレー国際空港内にブースを出しています。

ヤンゴン国際空港での購入が楽ちん!

ヤンゴン国際空港を例にとると、海外からの飛行機は第1ターミナル(Terminal 1)に到着します。

預け入れ荷物(Bagage Clame)で荷物を受け取った後、出口を出て左側に携帯電話サービスの各社がカウンターが並んでいます。

ヤンゴン国際空港とマンダレー国際空港に出店している携帯電話各社のブースでは、スタッフが英語に対応しているので、各社のSIMカードのプラン内容を聞いて確認することができます。

ミャンマー滞在日数に合わせて、オススメプランを提示してくれるので、納得がいけば購入となります。

SIMカードの購入に当たって、必要なのはパスポートの提示だけです。

後は、SIMロックフリーのスマートフォンをスタッフに渡すと、全ておまかせで通信開始設定を行ってくれます。

ただし、スタッフは日本語を読むことができないので、事前にスマホの言語を英語表示に設定しておきましょう。

スタッフが設定を完了したスマホを受け取ったら、必ずネットに繋がっているのかどうか、自分で確認!

ネットに繋がらない場合は、繋がるまでスタッフさんにお願いしてみましょう。機種によっては正しい設定でも、なぜかすぐにはネットに繋がらないこともあります。

ネットに繋がっていることを確認した後は、支払いです。

街中の携帯電話ショップでもSIMカードを購入

空路ではなく、陸路でミャンマーに入国する場合は、現地の携帯電話ショップでSIMカードを購入することができます。

目印は、各社のロゴです。

ただし、街中のショップでは、英語に対応していないケースが多々、あります。

2019年にタイからミャンマーへ陸路で入国した際は、ダウェイの街中にある携帯電話ショプで、MPTのSIMカードを購入しました。

店員は英語を全く話せなかったため、データ通信の容量の確認などに、非常に難儀しました。

タイトルとURLをコピーしました