ワチラーロンコーン国王誕生日【2025年】タイの祝日を体験!過ごし方と旅行注意点

王宮のライトアップと黄色い旗

タイの祝日「ワチラーロンコーン国王誕生日」は、タイ国民にとって非常に重要な日です。この日は、タイ国民が深い敬愛と忠誠心を示す、一年で最も大切な日の一つ。2025年7月28日(月)、タイ全土が国王への敬意を表す黄色に染まり、厳かで祝祭的な雰囲気に包まれます。

この祝日は、タイ在住者だけでなく、旅行者にとっても特別な意味を持ちます。交通規制や公共施設の営業時間変更がある一方で、普段見ることのできないライトアップや、タイ国民の国王への敬愛の深さを肌で感じる貴重な機会だからです。

この記事では、ワチラーロンコーン国王誕生日がタイ国民にとってどのような意味を持つのか、その歴史的背景や文化的意義に触れながら解説します。また、この特別な日を現地でどのように過ごせるのか、そして観光客が知っておくべきマナーや注意点もご紹介。この時期ならではのタイの姿を深く理解し、より心に残る旅にするためのヒントをお届けします。

2025年、2026年、2027年のワチラーロンコーン国王誕生日(ラーマ10世誕生日)の日程

  • 2025年7月28日(月)
  • 2026年7月28日(火)
  • 2027年7月28日(水)

タイのワチラーロンコーン国王誕生日(วันเฉลิมพระชนมพรรษาพระบาทสมเด็จพระวชิรเกล้าเจ้าอยู่หัว)は、毎年7月28日に固定されており、曜日に関わらずタイ全土で祝日となります。2025年は月曜日にあたり、週末と合わせて3連休となります。

タイ社会の精神的支柱「国王」の存在と歴史的背景

マハー・ワチラーロンコーン・ボーディンタラテープパワランクーン国王は、1952年7月28日生まれで、2025年の誕生日で73歳を迎えられます。彼は2016年10月13日に父プミポン前国王(ラーマ9世)の逝去を受けて即位しました。王妃はスティダー王妃で、国王には王子と王女がいらっしゃいます。

タイ王国において、国王は単なる国家元首以上の、国民統合の象徴であり、仏教の守護者として、国民から絶大な尊敬と敬愛を集めています。現国王であるワチラーロンコーン国王(チャクリー王朝第10代国王、ラーマ10世)は、タイ国民にとって精神的なよりどころであり、その誕生日は国を挙げて盛大に祝われます。

国王が国民の生活や精神に深く根付いている背景には、仏教思想とチャクリー王朝が築き上げてきた歴史があります。国王は仏教の教えに基づき、国民の幸福と国の繁栄を願う存在として敬われてきました。現代では、国王は国民の精神的な支柱として、社会の安定と結束に大きな役割を果たしています。

ワチラーロンコーン国王の誕生日は、国民一人ひとりが国王への忠誠心と感謝の気持ちを表現し、タイという国のアイデンティティを再確認する日なのです。

この日、タイの街は国王の色である黄色い旗で彩られ、SNS映えするフォトジェニックな光景が広がります。タイの伝統的な占星術において、月曜日は黄色と結びつけられており、多くの国王が月曜日生まれであることから、黄色は国王や王室への敬意を示す特別な色とされています。多くの国民は、国王への敬意を示すために黄色いポロシャツやTシャツを身につけて外出します。街のいたるところで黄色を目にすることで、タイ国民の国王への思いの深さを肌で感じることができるでしょう。

国王誕生日を現地で体験する過ごし方とマナー

ワチラーロンコーン国王誕生日にタイを訪れると、その国の文化や社会の根幹に触れる特別な体験ができます。

ライトアップされた王宮の荘厳な美しさを鑑賞する

国王誕生日には、バンコクの王宮周辺や主要な政府機関、そして歴史的な寺院などが、国王への敬意を表して美しくライトアップされます。

ただし、国王や王室メンバーが参加する公式式典や宗教儀式は、原則として関係者のみが立ち入ることができ、一般の観光客が直接中に入って見学することはできません。この点はご留意ください。

それでも、夜間には、グランドパレスやその北側に位置するサナムルアン広場(Sanam Luang / 王宮前広場)周辺が、国王の旗である黄色い旗や特別な装飾で埋め尽くされ、幻想的で荘厳な雰囲気に包まれます。王宮前広場 サナムルアンは、タイの歴史と深く結びついた場所です。観光客は、これらの場所を自由に散策し、例年実施されることが多い美しくライトアップされた歴史的建造物の姿を見学できます。夜間に訪れる際は、ライトアップされたグランドパレスを背景に記念写真を撮るのも良いでしょう。

サナムルアン広場(Sanam Luang)とは:バンコク旧市街、王宮のすぐ北側に位置する広大な公共の広場です。古くから王室の火葬儀式や重要な国家行事の舞台となってきました。普段は市民に開放されており、散歩などで利用できますが、国王誕生日などの祝日には特別な装飾が施され、関連行事の中心地となるため、一部立ち入りが制限される可能性もあります。

<インスタ映えを狙うなら!撮影のヒント>

  • 撮影アングル: サナムルアン広場の入り口から斜めに広場全体を写すと、風になびく黄色の旗が動きを演出し、奥行きのある写真になります。また、ライトアップされた王宮の塔や仏像を背景に、人々のシルエットを取り入れると、荘厳な雰囲気と対比が際立つ構図に。
  • 撮影タイミング: 夕暮れ時、空がグラデーションに染まり始めるマジックアワー(日没後約30分間)からライトアップが開始される直後がベスト。昼間の鮮やかな黄色が映える時間帯も美しいですが、夜はより幻想的な写真が撮れます。
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ライトアップされた王宮と祝賀ムード

寺院で「タンブン」を体験し、タイの信仰心に触れる

寺院でのタンブン(功徳)を積む人々

国王誕生日には、多くのタイ国民が寺院を訪れ、タンブン(功徳を積む行為)を行います。タンブンとは、タイ仏教において「善行を積む」という重要な意味を持つ行為です。これは、国王の長寿と健康を祈るとともに、自身の功徳を積む大切な習慣であり、タイ仏教の精神が色濃く表れる場面です。観光客も寺院を訪れることで、タイ仏教が国民生活に深く根付いている様子を肌で感じることができます。

実際、多くのタイの寺院では外国人観光客も歓迎しており、タンブン体験は文化交流の一環としても人気があります。観光客向けにタンブン体験を組み込んだ「文化体験ツアー」もたくさんあります。

タンブンは、僧侶への施し、仏像への供物、お経を唱えることなど、様々な形で行われます。観光客でも参加できるタンブン体験として、以下のようなものがあります。

  • お供え物の奉納: 寺院の入り口付近などで、花や線香、ろうそくなどのセットが売られています。これらを購入し、仏像の前で静かに手を合わせ、線香やろうそくを灯して供えることができます。
  • お布施(寄付): 寺院の維持や僧侶の生活を支えるためのお布施をすることもタンブンの一つです。無理のない範囲で、感謝の気持ちを込めて寄付をしましょう。
  • 短時間の座禅・瞑想: 一部の寺院では、観光客向けに短い座禅や瞑想体験を提供している場合があります。案内がある場合は、参加してみるのも良いでしょう。

寺院内では、僧侶への施しや、お経を唱える声など、厳かな雰囲気に包まれています。現地の作法に倣って静かに見学したり、参加したりすることで、タイの人々の信仰心に触れる貴重な経験となるでしょう。

外国人でも寺院へ行って良い?寺院訪問時のマナーと服装

タイの寺院は神聖な場所であり、訪問時には敬意を示す行動が求められます。

  • 露出の少ない服装: ノースリーブ、ショートパンツ、ミニスカートなど、肩や膝が露出する服装は避けましょう。男女ともに長袖のシャツやブラウス、長ズボンやロングスカートの着用が推奨されます。現地で羽織れるストールやサロンを持参すると便利です。
  • 靴の着脱: 多くの場所で靴を脱いで入る必要があります。着脱しやすいサンダルやスリッポンを履いていくのがおすすめです。
  • 仏像への敬意: 仏像に背を向けたり、足で指したり、跨いだりすることは絶対に避けましょう。記念撮影の際も、仏像と同じ目線になるように配慮が必要です。

国王賛歌が流れたらどうする?公共の場所での起立

タイでは、毎日朝8時と夕方6時に、公共の場所(駅、映画館、ショッピングモールなど)で国歌または国王賛歌が流れます。この時、タイ国民は一斉にその場に立ち止まり、国王への敬意を表します。

国王誕生日のような特別な日には、この習慣がより強く意識されます。観光客も、音楽が流れ始めたらタイ国民に倣って起立するようにしましょう。これは、タイの文化と国王への敬意を示す重要な行動であり、トラブルを避けるためにも必ず守るべきマナーです。

黄色い服を着て街を歩く人々

3. 旅のヒント:国王誕生日にタイを訪れる際の注意点

国王誕生日という特別な時期にタイを訪れることは、通常の観光では得られない貴重な経験をもたらしますが、いくつかの注意点もあります。

交通規制と混雑に備える

国王誕生日という祝日であり、公式行事や国民の移動が増えるため、バンコク中心部(特に王宮周辺)では大規模な交通規制が敷かれることがあります。また、公共交通機関(BTSやMRTなど)も通常より混雑する可能性があります。

  • 移動の計画: 事前に交通情報を確認し、時間には余裕を持って行動しましょう。特に王宮周辺への移動は、公共交通機関の利用を優先することをおすすめします。
  • タクシー・配車アプリ: 交通規制エリアでは利用が制限されたり、料金が高騰したりする可能性があります。

営業時間の変更と休業

祝日のため、一部の政府機関、銀行、郵便局などは休業したり、営業時間が短縮されたりする場合があります。また、私営の店舗やレストランも営業時間を変更することがあります。

  • 確認を推奨: 訪問したい施設や店舗がある場合は、事前に公式サイトなどで営業時間をチェックすることをおすすめします。ただし、観光客向けのデパートやショッピングモール、主要な観光地は通常通り営業していることが多いです。

王室に対する不敬行為に注意(不敬罪について)

タイには、国王、王妃、王位継承者、摂政に対する不敬な言動を禁じる法律「不敬罪」(レセ・マジェステ)があります。これは外国人観光客にも適用され、最高で懲役15年の罰則が科される可能性もあるため、細心の注意が必要です。

  • 言動に配慮: 王室に関する批判的な発言や、国王の肖像、国旗、王室の紋章などを粗末に扱う行為(例:足で踏む、落書きする)は絶対に避けましょう。SNSでの発信も対象となります。
  • 慎重な行動: 普段から、タイの文化や王室に対する敬意を払う姿勢が大切です。
寺院訪問時の服装マナー

7月のタイの天候と服装

7月のタイは雨季にあたります。スコールと呼ばれる短時間の激しい雨が降ることがありますが、一日中降り続くことは稀です。

  • 服装: 寺院訪問時のマナーに加えて、通気性の良い綿素材の服や、速乾性のある素材の服がおすすめです。冷房の効いた室内では肌寒く感じることもあるので、薄手のカーディガンなど羽織るものがあると便利です。
  • 持ち物: 折りたたみ傘やレインコート、濡れても良いサンダルや靴があると安心です。

子ども連れ・初タイ旅行者へのアドバイス

国王誕生日期間中は、王宮周辺や主要な寺院が特に混雑します。

  • 子ども連れの場合: 人混みでの迷子対策や、休憩をこまめにとるなど、ゆとりを持ったスケジュールを立てましょう。公共交通機関の利用も有効です。
  • 初タイ旅行者の場合: この時期はタイの文化を深く知る良い機会ですが、同時にマナーやルールが厳しくなる時期でもあります。事前に情報をよく確認し、現地の人々の行動に倣うことを心がけましょう。

国王誕生日の飲酒について

国王誕生日(7月28日)は、法律で定められた禁酒日ではありません

ただし、タイでは仏教の重要な祝日(カオパンサー、オークパンサー、ヴィサカブーチャなど)が禁酒日と定められています。もし、国王誕生日がこれらの仏教の祝日と重なる場合、その日は酒類の販売が終日禁止されますので注意が必要です。

過去の例を見ると、国王誕生日自体が禁酒となることは基本的にありませんが、前後で仏教の祝日があることで、実質的に連日酒類が購入できなくなるケースもあります。

そのため、国王誕生日の前後で飲酒を予定している場合は、その年の仏教の祝日カレンダーも合わせて確認することをおすすめします。当日もお酒を飲みたい場合は、前日までに購入しておくのが賢明です。

ワチラーロンコーン国王誕生日にタイを訪れることは、タイの文化と国民の心のあり方を肌で感じる貴重な機会となります。街じゅうに満ちる敬愛の念、そして特別なライトアップや国民の過ごし方は、あなたの旅を忘れられないものにするでしょう。この機会に、タイの歴史と文化の深さに触れる旅を計画してみてはいかがでしょうか。

関連スポットの概要とアクセス

タイ国王誕生日関連の主要な見どころは、バンコクの旧市街に集中しています。公共交通機関(BTS、MRT)とタクシーや配車アプリを組み合わせるのが便利です。

王宮(Grand Palace)の概要
【名称】王宮 / Grand Palace / พระบรมมหาราชวัง (Phra Borom Maha Ratcha Wang)
【入場】有料(外国人観光客 THB500)
【閉館時刻】08:30〜16:30 ※チケット販売終了時刻:15:30
【公式サイト】https://www.royalgrandpalace.th/
【アクセス情報】最寄駅:MRTサナムチャイ駅(Sanam Chai)。
市内中心部から:BTSアソーク駅やサイアム駅からMRTに乗り換え、約20〜30分。タクシーや配車アプリで約15〜30分(交通状況による)。
料金目安:MRT約THB20〜40、タクシー・配車アプリ約THB100〜200(交通状況による)。
サナムルアン広場(王宮前広場)の概要
【名称】サナムルアン広場 / Sanam Luang / ท้องสนามหลวง (Thong Sanam Luang)
【入場】無料(イベント時など一部制限あり)
【アクセス情報】王宮のすぐ北側に位置しています。
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