2025年 / 2026年版ネパールの祝日 / 休日 / お祭りカレンダー

ネパールのお祭り風景

ネパールの暦と祝日/休日について

ネパールでは、国際的に広く使われている西暦(グレゴリオ暦)に加え、独自の太陰太陽暦である「ビクラム暦 (Bikram Sambat)」が最も一般的に使われています。このビクラム暦は、インドの伝説的な皇帝ヴィクラマーディティヤの治世に始まったとされる暦で、西暦よりも約56年8ヶ月進んでいます。例えば、西暦の2025年4月14日(月)から2026年4月13日(月)までが、ビクラム暦2082年に相当します。

ネパールでは、政府機関の公文書や学校、企業の公式な記録にはビクラム暦が使われるのが一般的です。しかし、都市部でのビジネスや教育、国際的な交流の場では、西暦も非常に広く使われています。多くのネパール人は、この二つの暦を日常的に使いこなしており、市販されているカレンダーの多くには、両方の暦が併記されています。このため、外国人がネパールを訪れても、西暦が全く通じないということはほとんどありません。

カレンダーに関して、日本と大きく異なる点は、ネパールでは土曜日が休日だということです。これは、ヒンドゥー教において土曜日が、太陽神スーリヤ(Surya)やシヴァ神、ヴィシュヌ神など主要な神々を崇拝する重要な日とされていることに由来します。そのため、多くの人が寺院を訪れたり、特定の宗教儀式を行ったりする日としています。金曜日の午後は半休日となり、日曜日は平日です。官公庁や銀行は金曜日の午後と土曜日がお休みになります。

ネパールの多様な文化と宗教

ネパールは多民族・多宗教国家であり、年間を通じて多彩な祝日が存在します。ヒンドゥー教徒が多数を占めますが、仏教、イスラム教、シーク教、そして多様な土着の信仰を信じる人々も暮らしています。それぞれの民族や宗教コミュニティが独自の祭日や行事を持ち、一年を通して様々な祝祭が国中で繰り広げられます。

特に毎年秋(9月下旬~10月頃)に開催される「ダサイン」は、ネパール最大かつ最も重要なヒンドゥー教の祭りです。公的なお休み期間は数日間ですが、お祭り自体は15日間にわたって盛大に祝われます。この時期は、多くのネパール人が故郷へ帰省するため、国内の移動が非常に混み合います。ダサインの後には、「ティハール」と呼ばれる光の祭りも大々的にお祝いされます。

日本とネパールとの時差

日本とネパールとの間には、-3時間15分の時差があります。日本の方が3時間15分進んでいます。日本が正午の時、ネパールでは午前8時45分です。ネパールにサマータイムはありません。

Nepal   

2025年ネパールの祝日/お祭り/記念日カレンダー

以下に、2025年のネパールにおける主要な祝日、代表的なお祭りや記念日をまとめました。祝日などの名称は、日本語または読みやすいカタカナ表記、次にアルファベット(英語)表記、そしてネパール語(現地語)表記を併記し、その後に説明文を続けています。

【祝日情報の信頼性と凡例について】

ネパールの祝日は、太陰暦に基づくものが多く、毎年グレゴリオ暦上での日付が変動します。また、地方政府が独自に定める州ごとの祝日も存在します。残念ながら、ネパール政府の公式ウェブサイトからこれらの祝日情報を網羅的かつアクセスしやすい形で確認することは現状困難です。そのため、本リストは、ネパール国民が日常的に最も広く利用し、公式発表に基づいて正確な日付情報を提供している「Hamro Patro (hamropatro.com)」を主な情報源としています。さらに、複数の国際的な祝日ポータルサイトの情報とクロスチェックを行うことで、現時点で正確性の高い日付を提示するよう務めています。

このリストでは、祝日の種類を分かりやすく示すため、以下の色分けを適用しています。

  • 国民の祝日(公休日)
  • 地方/州限定の祝日(公休日または特に大規模で有名な祭事)
  • その他の祝日/記念日(公休日ではないが重要な日)
2025年1月11日(土)プリトヴィ・ジャヤンティ / Prithvi Jayanti / पृथ्वी जयन्ती
ネパール統一の父と称される第10代プリトヴィ・ナラヤン・シャハ王の誕生日を祝う日です。1768年~1769年にかけて、約350もの小王国に分かれていたネパールを統一し、現在のネパール王国の基礎を築きました。この日は「全国統一デー」としても知られており、かつては公的な祝日でしたが、近年は公休日ではないものの、カトマンズのシンハー・ダルバール門そばにあるプリトヴィ・ナラヤン・シャハ王の像に人々が集まり、彼の功績を称え、国家の結束を再確認します。
2025年1月14日(火)マゲ・サンクランティ / Maghe Sankranti / माघे सङ्क्रान्ति
冬至の後、太陽が山羊座に入ることを祝う「マーゲ」の月の始まりの日です。西暦では通常、1月中旬に当たります。この日は、太陽神への感謝と健康、繁栄を祈るヒンドゥー教のお祭りで、特別なご馳走を楽しむ日とされています。ゴマとサツマイモで作られたお菓子「チャクキ(Chakki)」や、ギー(精製バター)とターメリックで炒めた米「キチリ(Khichari)」など、滋養のある伝統的な食べ物が食卓に並び、家族や友人と分かち合います。また、聖なる河川での沐浴も行われることがあります。
2025年1月19日(日)マデシ運動記念日 / Madhes Movement Memorial Day / मधेस आन्दोलन स्मृति दिवस
2007年にネパール南東部のマデシ地方で発生した、住民の権利とアイデンティティの確立を求める大規模な民主化運動を記念する日です。この運動は、ネパールの政治状況に大きな影響を与え、その後の連邦制への移行にもつながる重要な出来事でした。この日は、マデシ州(第二州)の祝日として定められており、運動の犠牲者を追悼し、マデシの人々の自己決定権を再確認する集会や追悼行事が行われます。
2025年1月29日(水)殉教者の日 / Martyrs’ Day / शहीद दिवस
ネパールの自由と民主主義のために命を捧げた殉教者を追悼する日です。特に、1941年にラナ家の支配時代に射殺された4人の公式殉教者(ダルマ・バクタ・マテマ、ガンガラル・シュレスタ、ダシュラス・チャンド、シュクララジ・シャストリ)に捧げられます。この日は、彼らの功績を称え、民主化への道のりを振り返る式典や追悼集会が全国各地で行われます。多くのネパールの通り、スタジアム、組織が、これら4人の殉教者にちなんで名付けられており、彼らの犠牲が現代ネパール国家の基礎となっていることを示しています。
2025年1月30日(木)ソナム・ロサール / Sonam Lhosar (Tamang New Year) / सोनम ल्होसार
「ソナム・ロサール」は、ネパールの中央高地やヒマラヤ地域に主に居住するタマン族が新年をお祝いする日です。チベット仏教に深く根ざしたこのお祭りは、チベット、ブータン、インドの一部地域でも祝われます。ネパールでは国の祝日となっており、タマン族の人々は伝統的な衣装を身に着け、歌や踊りを楽しみ、家族やコミュニティで特別な祝祭が行われます。寺院では特別な祈りが捧げられ、新しい年の平和と繁栄が祈願されます。
2025年2月19日(水)民主主義の日 / Prajatantra Diwas / प्रजातन्त्र दिवस
1951年、ネパールを104年間にわたって支配したラナ家の独裁政治が終わりを告げ、立憲君主制が導入されたことを記念する日です。この出来事は、ネパールの民主化への大きな一歩となりました。公務員の休日として定められており、政府機関や学校では民主主義の価値を再認識するための式典やプログラムが開催されます。この日は、ネパールの現代史における転換点として、国民に広く認識されています。
2025年2月26日(水)マハ・シヴァラートリー / Maha Shivaratri / महाशिवरात्रि
ヒンドゥー教の破壊と再生の神であるシヴァ神を称える最も重要で神聖な祝祭日の一つです。この日、シヴァ神の寺院では夜を徹して賛歌が歌われ、特別なプージャー(礼拝)が行われます。特にカトマンズにあるユネスコ世界遺産のパシュパティナート寺院には、ネパール国内外から100万人以上のヒンドゥー教徒が巡礼に訪れ、聖なるバグマティ川での沐浴、祝宴、宗教儀式を行います。信者たちは断食を行い、シヴァ神に平和と繁栄を祈ります。
2025年2月28日(金)ギャルポ・ロサール(チベット新年)/ Gyalpo Losar / ग्याल्पो ल्होसार
チベット仏教徒の文化圏で祝われる新年のお祭りで、チベット暦の年末から約2週間にわたって盛大に催されます。隣国のネパールに住むチベット系民族やシェルパ族、マナンパ族などによっても祝われています。この期間、人々は伝統的な衣装を身につけ、家庭では特別な食べ物が用意され、寺院では平和と繁栄を願う儀式が行われます。家族や友人が集まり、お互いに新年の挨拶を交わし、伝統的な踊りや歌を楽しみます。
2025年3月5日(水)グルング・ロサール / Galung Lhosar / ल्होसार
ネパール中部や西部山岳地帯に居住するグルング族の新年を祝うお祭りです。グルング族は、独自の文化、言語、伝統を持つ民族として知られています。この日、彼らは伝統的な衣装を身に着け、コミュニティの広場に集まって、グルング語の歌や伝統的な踊りを披露し、新しい年の豊作と幸福を祈願します。主にガンダキ州(第四州)の一部地域で祝われますが、公休日となるかはその年の州政府の決定によります。
2025年3月8日(土)国際女性の日 / Nari Diwas / International Women’s Day / नारी दिवस
ドイツの社会主義者、クララ・ツェトキンが1910年にコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で「女性の政治的自由と平等のために戦う記念日」として提唱しました。ネパールでは国の祝日となっており、女性の権利、ジェンダー平等、そして社会における女性の貢献を称えるための様々なイベントや集会が開催されます。女性たちはこの日、パレードに参加したり、女性のエンパワーメントを訴えるデモを行ったりします。
2025年3月13日(木)・14日(金)ファグ・プルニマ(ホーリー / 水掛け祭り)/ Fagu Purnima(Holy) / फागु पूर्णिमा (होली)
春の訪れを熱狂的に祝うヒンドゥー教の大祭で、ヒンドゥー太陰太陽暦の月の最後の満月の日に行われます。ネパールでは「ファグ・プルニマ」と呼ばれ、首都カトマンズでは「Chir」と呼ばれる儀式用の竹の棒を立てて祭りが始まります。ホーリーは、色とりどりの色粉や水を互いに投げ合うことで有名ですが、ネパールでは絵の具や色粉だけでなく、「ロラス」(Lolas)と呼ばれる水風船も使われます。この祭りは、悪に対する善の勝利を象徴し、人々は歌い、踊り、色と水で互いを祝福し合います。
2025年3月18日(火)ゴデ・ジャトラ / Ghode Jatra / घोडेजात्रा
主にネパールのカトマンズ盆地一帯に居住するネワーリ民族のお祭りです。この祭りは、悪霊の退散と繁栄を祈願するもので、毎年「パハチャレ」と呼ばれる3日間のお祭りの2日目に当たります。特に、カトマンズ近くのトゥンディケル(Tundikhel)では、ネパール軍による大掛かりな馬術競技やパレードが披露され、多くの観客で賑わいます。ネワール族は音楽や舞踊を愛し、この日には豪華な食事を楽しむことで知られています。カトマンズ盆地地域のみ祝日となります。
2025年3月30日(日)ラマダン明け大祭 / Ramjan Edul Fikra(Eid Al-Fitr) / रमजान इदुल फित्र
イスラム教徒にとって、約1ヶ月にわたる断食月(ラマダン)が終わりを告げることを盛大にお祝いする、最も重要な祝日の一つです。イスラム世界では「イード・アル=フィトル / Eid Al-Fitr」と呼ばれます。ヒジュラ暦に基づいているため、毎年グレゴリオ暦上での日付が変動します。この日、イスラム教徒はモスクに集まり特別な祈りを捧げ、家族や友人とご馳走を分かち合い、お互いに祝福を述べ合います。子供たちには新しい服が贈られ、貧しい人々への施しも行われます。
ネパールのお祭り風景
2025年4月6日(日)ラーム・ナヴァミ(ラーマ神生誕日)/ Ram Navami / राम नवमी
ヒンドゥー教の主要な神の一人であるヴィシュヌ神の7番目の化身、シュリーラーマ(叙事詩ラーマーヤナの主人公)の生誕を祝う春祭りです。ラーマ神は、ヒンドゥー教のヴィシュヌ派の伝統において特に重要視されており、悪に打ち勝つ「理想の人間」として崇拝されています。この日、信者たちは寺院を訪れ、特別な祈りや儀式を行い、ラーマ神の物語を朗読したり、歌を歌ったりして過ごします。多くの人々が断食を行い、精神的な浄化を求めます。
2025年4月14日(月)ネパール新年 / Nepali New Years Day / नेपाली नयाँ वर्ष
ネパールの主要な暦であるビクラム暦2082年の新年元旦の日です。60を超える民族グループが生活するネパールでは9つの異なる新年の日がありますが、この日は「国民の新年」と見なされ、全国的に祝われます。この日、ネパール中のヒンドゥー寺院では、多くの人が朝のお祈りを捧げ、神々に食べ物を供えます。パレードに参加したり、家族や友人とご馳走を楽しんだり、地元の公園でピクニックに出かけたり、国内旅行をしたりして新しい年を祝います。新しい始まりとして、仕事や学業での目標設定なども行われます。
2025年4月24日(木)民主主義記念日(ロクタントラ・ディワス)/ Loktantra Diwas / लोकतन्त्र दिवस
2005年、ギャネンドラ国王が議会を停止し、非常事態宣言を発令しましたが、その後の大規模な民主化運動により、2006年にネパールの代表議会が復活しました。この日は、国民が主権を取り戻した重要な節目として「ロクタントラ・ディワス(民主主義記念日)」と名付けられ、国の祝日となっています。全国各地で民主主義の価値を再確認し、民主化運動の功績を称える式典や集会が開催されます。
2025年4月20日(日)チャイテ・ダサイン / Chaite Dashain / चैते दसैं
「小さなダサイン」とも呼ばれ、毎年春に行われるヒンドゥー教の祭りで、悪に対する善の勝利を祝います。秋に祝われる「ダサイン」ほど大規模ではありませんが、地域によってはこの日も重要視されます。主にカルナリ州(第六州)の祝日とされており、この州では公休日となります。寺院では特別なプージャーが行われ、家族やコミュニティで集まって祝宴を楽しみます。
2025年5月14日(水)チェティ・チャンド / Cheti Chand / चेटी चन्द
主に南アジアに起源を持つシンド人の新年を祝うお祭りです。シンド地方の文化と伝統を祝うもので、ネパールに住むシンド人コミュニティによって盛大に祝われます。この日、シンド人は伝統的な歌や踊り、そして特別な料理を楽しみ、新しい年の幸福と繁栄を祈ります。主にガンダキ州(第四州)の祝日とされていますが、その年の州政府の決定により公休日となるかどうかが決まります。
2025年5月1日(木)メーデー / Majdur Diwas / Labour Day / मजदुर दिवस
世界各地で労働者の権利と功績を称える日として知られるメーデーは、ネパールでも国の祝日となっています。ネパールには700万人以上の労働者がおり、その中にはインド、中国、ミャンマーなど海外で働く100万人以上のネパール人も含まれます。これらの労働者からの送金は、ネパールの国内総生産(GDP)の約30パーセントを占めると言われるほど、国の経済に不可欠な存在です。この日、労働組合によるデモや集会が行われ、労働者の権利保護と労働環境の改善が訴えられます。
2025年5月12日(月)釈迦生誕祭(ブッダ・ジャヤンティ)/ Buddha Jayanti / बुद्ध जयन्ती
仏陀(シッダールタ・ゴータマ)の生誕、悟り、そして涅槃という、仏陀の生涯における重要な3つの出来事を祝う聖なる日です。これらの出来事がすべて同じ日であるとされていることから、特にこの日は仏教徒にとって極めて重要です。仏陀がネパールのルパンデヒ地区にあるルンビニで生まれたとされているため、ブッダ・ジャヤンティは多くのネパール人にとっても特別な意味を持ちます。この日、仏教寺院や僧院では特別な祈りや儀式が行われ、多くの人々がルンビニを訪れ、平和と精神的な啓発を願います。
2025年4月26日(土)母の日(マタ・トリタ / アマコ・ムック・ヘルネ)/ Mother’s Day(Mata Tritha) / आमाको मुख हेर्ने दिन
毎年ネパール暦に基づき日付が変わるネパールの母の日で、ネパールでは「母の顔を見る日」と呼ばれています。この日、子供たちは母親に感謝と長寿の願いをこめて、甘いお菓子、タマゴ、果物などのプレゼントを贈る習慣があります。母親を亡くした人は、カトマンズ盆地の聖地であるマタティルタ(Matatirtha)を訪れ、亡き母親を偲んで儀式を行います。この時期、街の商店にはミタイと呼ばれる激甘のネパール菓子が並び、贈り物として人気を集めます。
2025年5月29日(木)ガナタントラ・ディワス(共和国記念日)/ Ganatantra Diwas(Republic Day) / गणतन्त्र दिवस
約240年間続いたネパール王国(ゴルカ朝)が正式に廃止され、2008年5月29日にネパールが共和制国家へと移行したことを記念する日です。この日はネパールの歴史における画期的な転換点であり、国民の祝日として定められていましたが、ネパール政府は2018年に祝日から外しました。しかし、多くの人々は引き続きこの日を祝い、民主主義の定着と共和制の意義を再確認する集会やイベントが各地で行われます。
2025年6月6日(金)メッカ巡礼祭(犠牲祭)/ Edul Aajaha(Eid Al-Adha) / इद उल अज्हा
イスラム教で最も重要とされる「イード・アル=アドハー / Eid Al-Adha」は、預言者イブラーヒーム(アブラハム)が神への信仰心を示すために息子を犠牲にしようとした故事に由来する宗教的な祝日です。イスラム暦の12月10日からメッカへの大巡礼(ハッジ)の最終日に当たります。日本では「メッカ巡礼祭」や「犠牲祭」とも呼ばれています。この日、イスラム教徒は特別な祈りを捧げ、動物を犠牲にしてその肉を貧しい人々や家族と分かち合います。親族や友人が集まり、盛大な祝宴が催されます。
2025年6月16日(月)シュラワン・サンクランティ / Saune Sankranti / साउने सङ्क्रान्ति
ネパール暦のシュラワン月(グレゴリオ暦の6月中旬から7月中旬)の始まりを祝う日で、この日を境に夏の農作業のピークが終わり、雨季が本格的に始まることを象徴します。主にネパール北西部に位置するカルナリ州(第六州)の祝日とされており、州内の政府機関が休暇となります。この日は、農作業の疲れを癒し、健康を祈願する日として、特定の食事や民間療法が行われる地域もあります。
2025年6月27日(金)アトワリ / Attwari / अट्वारी
ネパールの西部山岳地帯などに住む先住民族、タルー族の重要なお祭りです。2015年に制定された憲法で新設されたスドゥルパシュチム州(第七州)の祝日となっており、州内の官公庁は休業します。この祭りは、タルー族の文化と伝統を守り、次世代に継承する意味合いが強く、伝統的な歌や踊り、そして特別な儀式が行われます。特に、タルー族の共同体意識を育む重要な機会となっています。
2025年8月9日(土)ラクシャバンダン / Raksha Bandhan / रक्षा बन्धन
ヒンドゥー暦のシュラーワン月(グレゴリオ暦の7月下旬から8月上旬)の満月に祝われる、兄弟姉妹間の愛情の絆を強めるお祭りです。この日、姉妹は兄弟の手首に「ラキ」と呼ばれる特別な紐やお守りを結び、兄弟の長寿と安全を祈願します。これに対し、兄弟は姉妹を守ることを約束し、衣服や甘いお菓子などのプレゼントを渡す習慣があります。この時期、街のショップには、贈り物用のラキやプレゼント商品が並び、家族の絆を深める温かい雰囲気に包まれます。
2025年8月10日(日)ガイ・ジャトラ(牛祭り)/ Gai Jatra / गाईजात्रा
ガイ・ジャトラは、ネパールで最も人気があり、特にカトマンズ盆地で盛大に祝われるフェスティバルの1つです。この日、前年に親戚を亡くした家族が、亡くなった人々が天国へスムーズに旅立てるよう、カトマンズの通りを巡るパレードに参加します。パレードでは、牛を率いる習わしがあり、もし本物の牛がいない場合は、少年が牛に扮して参加します。この祭りは、死の悲しみを共有し、故人を偲ぶだけでなく、ユーモラスな仮装や風刺劇も披露され、人々に笑顔をもたらすユニークな特徴を持っています。カトマンズ盆地地域のみ祝日となります。
2025年8月16日(土)ガウラ・パルバ / Gaura Parba / गौरा पर्व
ヒンドゥー教の女神ガウラ(パールヴァティーの別名)の威光を称える伝統的なお祭りです。主にインドと国境を接するネパール西部で、特に女性たちによって盛大にお祝いされます。お祭り自体は3日間にわたって催され、初日が祝日となっていますが、ほとんどの企業は通常営業を続けることが多いようです。女性たちは、豊かな収穫と夫の健康と長寿を祈願し、特別な歌や踊りを披露し、伝統的な装飾品を身に着けます。この祭りは、地域の文化的なアイデンティティを強く反映しています。
2025年8月16日(土)クリシュナ神誕生記念日(シュリークリシュナジャンマシュタミ、ジャンマシュタミ)/ Shree Krishna Janmashtami / श्रीकृष्ण जन्माष्टमी
ヒンドゥー教の最も重要な神の一人であるクリシュナ神の誕生を祝うお祭りです。この日は、悪に対する善の勝利を象徴するもので、ヒンドゥー教徒にとって深い信仰の対象となります。寺院では、クリシュナ神の像に花、食べ物、甘いお菓子などが供えられ、信者たちは夜通しで伝統的な歌と踊りを捧げます。特に、クリシュナ神と邪悪なカンサ王との壮大な戦いを振り返るパフォーマンスが行われ、神話の世界を再現します。多くの信者は断食を行い、クリシュナ神の恵みを祈ります。
2025年8月26日(火)ハリタリカ・ティージ / Hartalika Teej / हरितालिका तीज
ヒンドゥー教のシヴァ神と女神パールヴァティー(ハルタリカ)の結婚を記念するお祭りで、特に女性にとって重要な祝日です。国の祝日ですが、この日は女性のみが公休日となります。お祭り自体は3日間にわたって催され、初日には女性たちが赤いサリーや伝統的な衣装を身にまとい、陽気に歌ったり踊ったり、真夜中までご馳走を楽しむ「ダル・カニ」という習慣があります。2日目は、夫の健康と長寿を願って断食を行い、3日目には聖なる水で身を清め、一年間の不浄を洗い流します。
2025年8月28日(木)リシ・パンチャミ / Rishi Panchami / ऋषि पञ्चमी
ヒンドゥー教徒の女性たちのお祭り「ティージ」の最終日に当たるのが、このリシ・パンチャミです。ネパール全土の祭日となっていますが、公休日ではありません。この日、女性たちは、古代の七聖人(リシ)に敬意を表し、お供え物を施します。特に、聖なる川や湖で沐浴を行い、「ダティワン(Datiwan)」という木の枝で作ったブラシで歯磨きをする儀式が行われます。これは、一年間の身体的および精神的な不浄を洗い流し、清らかな状態になることを意味します。この儀式を通じて、女性たちは精神的な平穏と浄化を求めます。
ネパールのお祭り風景
2025年9月7日(日)公務員の日 / Nijamati Sewa Diwas / निजामती सेवा दिवस
ネパールでは、1956年以来、毎年9月7日が公務員の休日として定められています。これは、公務員の社会貢献を称え、その職務の重要性を再認識するための日です。現在、ネパール全土で80,000人を超える公務員が働いていると言われており、彼らの日々の努力が国家の運営に不可欠であることを示す日でもあります。この日には、各地で表彰式や懇親会など、公務員を称えるイベントが開催されます。
2025年9月20日(土)憲法記念日 / Sambidhaan Diwas / Constitution Day / संविधान दिवस
2008年に王制が廃止された後、2015年9月20日にネパールで新しい憲法が公布されたことを記念する国の祝日です。この憲法は、ネパールを連邦共和国へと再編し、国を7つの州に分割する重要な変更をもたらしました。また、長年の立憲君主制から共和主義への移行、そして連邦主義への移行を明確に謳っています。この日、全国各地で憲法の意義を称える式典やパレードが行われ、国民が民主主義と法の支配の重要性を再確認します。
2025年9月9日(火)インドラ・ジャトラ / Indra Jatra / इन्द्रजात्रा
インドラ・ジャトラは、首都カトマンズで盛大に開催される、特にネワール族にとって重要な8~9日間にわたるフェスティバルです。この祭りはヒンドゥー教の雨と雷の神であるインドラ神に敬意を表して行われます。「インドラ」は神の名前、「ジャトラ」は「行列」を意味します。この日、華やかに飾り付けされた巨大な戦車(ラタ)が市街を巡行し、生き神クマリを乗せた戦車もパレードに参加します。また、カトマンズ盆地全体に悪霊が入り込むのを防ぐための儀式も行われ、伝統的な仮面舞踊や音楽が披露されます。カトマンズのみ祝日となります。
2025年9月17日(水)ジティヤ / Jitiya(Jivitputrika) / जितिया पर्व
ジティヤは、主にネパール南部のタライ平原に住むヒンドゥー教徒の女性たちによって祝われるお祭りです。子供たちの健康と長寿を願うジティヤの伝説に由来しており、お祭り自体は3日間にわたって催されます。この日、女性たちは断食を行い、特別な祈りを捧げます。特に、タライ地方の文化を色濃く反映しており、地域の伝統的な歌や踊りも披露されます。ネパール南東部に位置するマデシ州(第二州)の祝日となっています。
2025年9月23日(火)ダサイン大祭初日(ガタスタパナ)/ Dashain(Ghatasthapana) / दशैं
ダサインは、ヒンドゥー教のアシュヴィン月(グレゴリオ暦の9月下旬~10月頃)に始まり、同月の満月に終わる、ネパール最大かつ最も重要なヒンドゥー教の祭りです。2025年9月23日(火)から10月6日(月)まで15日間に渡って催されます。 この祭りは、悪魔を打ち倒した女神ドゥルガーにちなんで、豊穣と人間の生命力高揚を祈願するものです。初日のガタスタパナでは、各家庭で、大麦の種まきの儀式(プジャ)を行い、土器に聖水を満たし、豊穣の象徴として大麦やトウモロコシの種をまきます。ダサイン大祭の期間中は、家族・親族が各地から実家へ帰省し、みんなで揃って祝い、家族の絆を深める儀式という性格を備えています。この時期はネパール国内・海外からの帰省ラッシュで、交通機関が非常に混み合います。
2025年9月29日(月)~10月4日(土)ダサイン公休日 / Dashain Public Holidays
15日間続くダサイン大祭のうち、以下の期間が公的な祝日となります。
9月29日(月)フルパティ / Phulpati / फूलपाती:ダサイン大祭の7日目にあたり、この日から公的な祝日が始まります。この日、特にジャムコット(Jamkot)から儀式用の花や植物(フールパティ)がカトマンズのダルバール広場にあるハヌマン・ドーカ宮殿へと運ばれ、伝統的な儀式が行われます。
9月30日(火)マハ・アスタミ / Maha Astami / महा अष्टमी:ダサイン大祭の8日目。女神ドゥルガを祀った寺院で、特に動物の生贄が捧げられます。これは、悪魔を打ち倒した女神ドゥルガーの力に感謝し、その力を称えるためのものです。カトマンズの主要な女神の寺院は、夜通し参拝者で賑わいます。
10月1日(水)マハ・ナワミ / Maha Nawami / महानवमी:ダサイン大祭の9日目。この日も女神ドゥルガーへの礼拝が捧げられます。特に、商売道具、機械類、刃物、車両など、日常的に使う道具や乗り物を清め、安全と繁栄を祈る儀式(プジャ)が行われます。仕事の道具が女神の恵みによって動いていると信じられているためです。
10月2日(木)ヴィジャヤ・ダサミ / Vijaya Dashami / विजया दशमी:ダサイン大祭の10日目にして最も重要な日。悪に対する善の勝利を象徴する日です。この日、年長者から年少者へ、額に朱色のティカ「Tilaka」(米とヨーグルト、赤い粉を混ぜたもの)をつけてもらいます。これは、祝福と幸運の象徴であり、同時に「ジャマラ」(Ghamara)と呼ばれる大麦の芽も髪に挿します。また、お年玉のように金銭が渡される習慣もあります。
10月3日(金)エカダシ / Ekadashi / एकादशी:ダサイン大祭の11日目。ヴィジャヤ・ダサミに引き続き、親戚や友人との交流が続きます。引き続きティカの儀式が行われることもあります。
10月4日(土)ドワダシ / Dwadashi / द्वादशी:ダサイン大祭の12日目。この日もダサインの祝祭の雰囲気が続き、家族や親戚との団欒が楽しまれます。
10月5日(日)コジャグラト・プルニマ / Kojagrat Purnima / कोजाग्रत पूर्णिमा:15日間続くダサイン大祭の最終日で、ヒンドゥー教の富の女神であるマハ・ラクシュミを崇拝する日です。この夜、ラクシュミ女神が誰の家を訪れるかを見極めるため、「コジャグラト(目覚めていますか?)」と呼びかけながら、人々は夜通し目覚めてランプを灯し、特別な供物を捧げます。カトマンズでは、何世紀もの歴史を持つ寺院が並ぶダルバール広場やネパールで最も神聖な寺院とされるパシュパティナート寺院、世界的に有名なボダナート仏塔などが、美しくライトアップされ、多くの参拝者で賑わいます。
2025年10月28日(火)~11月1日(土)ティハール(光の祭り)/ Tihar / तिहार
ティハールは、富と繁栄と豊穣の女神であるラクシュミ(日本では吉祥天)を家に招き、家族の繁栄を祈願するお祭りです。ラクシュミ女神を家に迎えるために夕方から明かりを灯し、ネパール中の街や村が幻想的に輝くことから、「光の祭」として知られています。お祭り自体は5日間に渡って催されます。
ティハール期間中は、子供達のグループが家々を巡って歌や踊りを披露し、お菓子やお金を貰う習慣があります。ティハールのお祭りは、死を司るヤーマ神(日本では閻魔大王)の妹であるヤムナ(Yamuna)が、兄のヤーマ神に会うために行ったとされる伝説に基づいています。日ごとにカラス・イヌ・牛に対する供養儀礼「プジャ」が行われ、兄弟に対してバイ・ティカと呼ばれる儀礼が行われます。
10月28日(火)カーグ・ティハール / Kaag Tihar / काग तिहार:カラス(カーグ)の日。ティハールの初日で、ヤーマ神の使者であるカラスに感謝と敬意を表します。人々は道端に葉っぱのお皿に米や穀物を置き、カラスに祈りを捧げ、彼らに餌を与えます。カラスは、死者の魂を運ぶ存在としても信じられています。
10月29日(水)ククル・ティハール / Kukur Tihar / कुकुर तिहार:犬(ククル)の日。ティハールの2日目で、ヤーマ神の忠実な番犬である犬に感謝と敬意を表します。犬の額にはティカと呼ばれる赤粉で化粧が施され、花輪が首にかけられ、ご馳走がふるまわれます。犬は人間の最良の友であり、忠誠心の象徴として崇拝されます。
10月30日(木)ラクシュミ・プジャ / Laxmi Puja / लक्ष्मी पूजा:ティハールの公休日。ティハールの3日目にして最も重要な日の一つで、富と繁栄と豊穣の女神であるマハ・ラクシュミを家に招き入れる日です。日没の頃、家々にランプやろうそくが灯され、通りや建物が美しく飾り付けられます。家庭では、女神ラクシュミを歓迎するための特別なプージャーが行われ、財運と幸福が祈願されます。
10月31日(金)ゴヴァルダン・プジャ / Govardhan Puja / गोवर्धन पूजा:ティハールの公休日。ティハールの4日目で、ゴヴァルダン山を持ち上げたクリシュナ神と、農耕社会を支える雄牛に感謝と敬意を表する日です。雄牛には化粧が施され、ご馳走がふるまわれ、その働きに敬意が払われます。この日は、ネパールのカトマンズ盆地一帯に居住するネワール族のお正月「マハ・プジャ(Mha Puja)」にも当たり、家族の魂を清め、息災を祈願する自己崇拝の儀式が行われます。
11月1日(土)バイ・ティカ / Bhai Tika / भाइ टिका:ティハールの公休日。ティハールの最終日で、兄弟姉妹の絆を祝う日です。姉や妹は、兄や弟の額に色とりどりのティカ(七色のティカが特に使われます)を施し、健康と長寿、繁栄を祈ります。これに対し、兄弟は姉妹を守ることを約束し、贈り物や金銭を渡します。姉妹がいない家庭では、親戚の女性や友人の女性からティカを付けてもらうこともあります。
ネパール ティハール
2025年11月6日(木)チャート・プジャ / Chhath Puja / छठ पुजा
チャート・プジャは、太陽神スーリヤと彼の妻チャティ・マイヤ(Usha)に捧げられる古代ヒンドゥー教のお祭りです。主にインドのウッタルプラデーシュ州東部とビハール州で盛大に祝われますが、ネパール南部のタライ地方でも広く信仰されています。お祭り自体は4日間にわたって催され、信者たちは断食を行い、川や池に入って太陽神に祈りを捧げます。特に日の出と日の入り時に行われる儀式は神聖視され、家族の幸福と繁栄、子供たちの健康が祈願されます。
2025年11月5日(水)グル・ナーナク生誕日 / Guru Nanak Jayanti / गुरु नानक जयन्ती
シーク教の創始者であるグル・ナーナク・サーヒブの生誕を祝う祝祭日です。シーク教徒にとって最も重要な祭事の一つであり、ネパール国内のシーク教徒コミュニティによって盛大に祝われます。この日、シーク教徒はグドワラ(シーク教寺院)に集まり、特別な祈りを捧げ、聖典「グル・グラント・サーヒブ」の朗読を行います。パレードや共同の食事(ランガル)も行われ、教えを広め、共同体の絆を深めます。
2025年11月9日(日)カトマンズ・インディジネス祭 / Kathmandu Indigenous Festival / काठमाडौं आदिवासी महोत्सव
カトマンズ盆地およびその周辺に住む多様な先住民族が、その豊かな文化、伝統、音楽、踊りを披露する地域限定の祭りです。公休日ではありませんが、カトマンズを訪れる旅行者にとっては、ネパールの多民族性を肌で感じ、それぞれの民族が持つユニークな習慣や芸術に触れる貴重な機会となります。様々な民族グループがブースを設け、伝統工芸品や民族料理の販売も行われます。
2025年12月5日(金)ウダウリ・パルバ / Udhauli Parva / उधौली पर्व
ウダウリ・パルバは、ネパール東部に居住するキラト族(主にライ族、リンブー族など)の重要な収穫祭です。この祭りは、冬季に山岳地帯から低地へ移動する(ウダウリ=下る)時期と重なり、収穫への感謝と新しい季節の到来を祝います。饗宴が催され、キラト族の女性は「チットコグネウ(Chitkogneu)」と呼ばれる特別な模様のドレスを纏い、伝統的な歌に合わせて踊って、お祝いします。ネパールの東端に位置するコシ州(第一州)の祝日となっています。
2025年12月26日(金)ブワ・パルバ / Bhuwa Parba / भुवा पर्व
主にネパールの西部丘陵地帯や山岳地帯で祝われるお祭りで、ヒンドゥー教の叙事詩「マハーバーラタ」に登場する英雄パンダヴァの勝利を祝うものとされます。この祭りでは、伝統的な楽器の演奏とともに、男性によるククリ刀(ネパールの伝統的な湾曲したナイフ)を手に持った勇壮な踊りが披露されます。これは、悪霊を払い、コミュニティの安全と繁栄を願う意味合いも持ちます。スドゥルパシュチム州(第七州)の祝日となっています。
2025年12月25日(木)クリスマス / Christmas Day / क्रिसमस
キリスト教徒にとってイエス・キリストの降誕を祝うクリスマスは、2006年よりネパールの祝日となっています。ネパールには約300万人のクリスチャンがいると推定されており、彼らにとっては重要な信仰上の祝日です。この日、キリスト教徒のコミュニティでは教会での礼拝が行われ、家族や友人と集まって特別な食事を共にし、プレゼントを交換するなどの習慣があります。カトマンズなどの都市部では、クリスマスツリーやイルミネーションも見られるようになり、宗教の枠を超えて祝祭の雰囲気が広がっています。
2025年12月30日(火)タム・ロサル / Tamu Losar / तमु ल्होसार
ネパールの主要な山岳民族の一つであるグルン族の新年のお祭りです。彼らは独自の「タム暦」を使用しており、この日は新しい年の始まりを意味します。グルン族は、伝統的な衣装を身につけ、グルン族の歌や踊りを披露しながら、家族やコミュニティのメンバーと集まって祝宴を楽しみます。新しい年の健康と繁栄を祈願し、世代間の文化継承を祝う大切な日です。
ネパールの寺院

2026年ネパールの祝日/お祭り/記念日カレンダー

2026年のネパールにおける主要な祝日、代表的なお祭りや記念日をまとめました。祝日などの名称は、日本語または読みやすいカタカナ表記、次にアルファベット(英語)表記、そしてネパール語(現地語)表記を併記し、その後に説明文を続けています。

【祝日情報と凡例について】

ネパールの祝日は、太陰暦に基づくものが多く、毎年グレゴリオ暦上での日付が変動します。また、地方政府が独自に定める州ごとの祝日も存在します。残念ながら、ネパール政府の公式ウェブサイトからこれらの祝日情報を網羅的かつアクセスしやすい形で確認することは現状困難です。そのため、本リストは、ネパール国民が日常的に最も広く利用し、公式発表に基づいて正確な日付情報を提供している「Hamro Patro (hamropatro.com)」を主な情報源としています。さらに、複数の国際的な祝日ポータルサイトの情報とクロスチェックを行うことで、現時点で正確性の高い日付を提示するよう務めています。

このリストでは、祝日の種類を分かりやすく示すため、以下の色分けを適用しています。

  • 国民の祝日(公休日)
  • 地方/州限定の祝日(公休日または特に大規模で有名な祭事)
  • その他の祝日/記念日(公休日ではないが重要な日)
2026年1月11日(日)プリトヴィ・ジャヤンティ / Prithvi Jayanti / पृथ्वी जयन्ती
ネパール統一の父と称される第10代プリトヴィ・ナラヤン・シャハ王の誕生日を祝う日です。1768年~1769年にかけて、約350もの小王国に分かれていたネパールを統一し、現在のネパール王国の基礎を築きました。この日は「全国統一デー」としても知られており、かつては公的な祝日でしたが、近年は公休日ではないものの、カトマンズのシンハー・ダルバール門そばにあるプリトヴィ・ナラヤン・シャハ王の像に人々が集まり、彼の功績を称え、国家の結束を再確認します。
2026年1月14日(水)マゲ・サンクランティ / Maghe Sankranti / माघे सङ्क्रान्ति
冬至の後、太陽が山羊座に入ることを祝う「マーゲ」の月の始まりの日です。西暦では通常、1月中旬に当たります。この日は、太陽神への感謝と健康、繁栄を祈るヒンドゥー教のお祭りで、特別なご馳走を楽しむ日とされています。ゴマとサツマイモで作られたお菓子「チャクキ(Chakki)」や、ギー(精製バター)とターメリックで炒めた米「キチリ(Khichari)」など、滋養のある伝統的な食べ物が食卓に並び、家族や友人と分かち合います。また、聖なる河川での沐浴も行われることがあります。
2026年1月19日(月)マデシ運動記念日 / Madhes Movement Memorial Day / मधेस आन्दोलन स्मृति दिवस
2007年にネパール南東部のマデシ地方で発生した、住民の権利とアイデンティティの確立を求める大規模な民主化運動を記念する日です。この運動は、ネパールの政治状況に大きな影響を与え、その後の連邦制への移行にもつながる重要な出来事でした。この日は、マデシ州(第二州)の祝日として定められており、運動の犠牲者を追悼し、マデシの人々の自己決定権を再確認する集会や追悼行事が行われます。
2026年1月29日(木)殉教者の日 / Martyrs’ Day / शहीद दिवस
ネパールの自由と民主主義のために命を捧げた殉教者を追悼する日です。特に、1941年にラナ家の支配時代に射殺された4人の公式殉教者(ダルマ・バクタ・マテマ、ガンガラル・シュレスタ、ダシュラス・チャンド、シュクララジ・シャストリ)に捧げられます。この日は、彼らの功績を称え、民主化への道のりを振り返る式典や追悼集会が全国各地で行われます。多くのネパールの通り、スタジアム、組織が、これら4人の殉教者にちなんで名付けられており、彼らの犠牲が現代ネパール国家の基礎となっていることを示しています。
2026年2月18日(水)ソナム・ロサール / Sonam Lhosar (Tamang New Year) / सोनम ल्होसार
「ソナム・ロサール」は、ネパールの中央高地やヒマラヤ地域に主に居住するタマン族が新年をお祝いする日です。チベット仏教に深く根ざしたこのお祭りは、チベット、ブータン、インドの一部地域でも祝われます。ネパールでは国の祝日となっており、タマン族の人々は伝統的な衣装を身に着け、歌や踊りを楽しみ、家族やコミュニティで特別な祝祭が行われます。寺院では特別な祈りが捧げられ、新しい年の平和と繁栄が祈願されます。
2026年2月19日(木)民主主義の日 / Prajatantra Diwas / प्रजातन्त्र दिवस
1951年、ネパールを104年間にわたって支配したラナ家の独裁政治が終わりを告げ、立憲君主制が導入されたことを記念する日です。この出来事は、ネパールの民主化への大きな一歩となりました。公務員の休日として定められており、政府機関や学校では民主主義の価値を再認識するための式典やプログラムが開催されます。この日は、ネパールの現代史における転換点として、国民に広く認識されています。
2026年2月27日(金)マハ・シヴァラートリー / Maha Shivaratri / महाशिवरात्रि
ヒンドゥー教の破壊と再生の神であるシヴァ神を称える最も重要で神聖な祝祭日の一つです。この日、シヴァ神の寺院では夜を徹して賛歌が歌われ、特別なプージャー(礼拝)が行われます。特にカトマンズにあるユネスコ世界遺産のパシュパティナート寺院には、ネパール国内外から100万人以上のヒンドゥー教徒が巡礼に訪れ、聖なるバグマティ川での沐浴、祝宴、宗教儀式を行います。信者たちは断食を行い、シヴァ神に平和と繁栄を祈ります。
2026年2月28日(土)ギャルポ・ロサール(チベット新年)/ Gyalpo Losar / ग्याल्पो ल्होसार
チベット仏教徒の文化圏で祝われる新年のお祭りで、チベット暦の年末から約2週間にわたって盛大に催されます。隣国のネパールに住むチベット系民族やシェルパ族、マナンパ族などによっても祝われています。この期間、人々は伝統的な衣装を身につけ、家庭では特別な食べ物が用意され、寺院では平和と繁栄を願う儀式が行われます。家族や友人が集まり、お互いに新年の挨拶を交わし、伝統的な踊りや歌を楽しみます。
2026年3月5日(木)グルング・ロサール / Galung Lhosar / ल्होसार
ネパール中部や西部山岳地帯に居住するグルング族の新年を祝うお祭りです。グルング族は、独自の文化、言語、伝統を持つ民族として知られています。この日、彼らは伝統的な衣装を身に着け、コミュニティの広場に集まって、グルング語の歌や伝統的な踊りを披露し、新しい年の豊作と幸福を祈願します。主にガンダキ州(第四州)の一部地域で祝われますが、公休日となるかはその年の州政府の決定によります。
2026年3月8日(日)国際女性の日 / Nari Diwas / International Women’s Day / नारी दिवस
ドイツの社会主義者、クララ・ツェトキンが1910年にコペンハーゲンで行なわれた国際社会主義者会議で「女性の政治的自由と平等のために戦う記念日」として提唱しました。ネパールでは国の祝日となっており、女性の権利、ジェンダー平等、そして社会における女性の貢献を称えるための様々なイベントや集会が開催されます。女性たちはこの日、パレードに参加したり、女性のエンパワーメントを訴えるデモを行ったりします。
2026年3月13日(金)・14日(土)ファグ・プルニマ(ホーリー / 水掛け祭り)/ Fagu Purnima(Holy) / फागु पूर्णिमा (होली)
春の訪れを熱狂的に祝うヒンドゥー教の大祭で、ヒンドゥー太陰太陽暦の月の最後の満月の日に行われます。ネパールでは「ファグ・プルニマ」と呼ばれ、首都カトマンズでは「Chir」と呼ばれる儀式用の竹の棒を立てて祭りが始まります。ホーリーは、色とりどりの色粉や水を互いに投げ合うことで有名ですが、ネパールでは絵の具や色粉だけでなく、「ロラス」(Lolas)と呼ばれる水風船も使われます。この祭りは、悪に対する善の勝利を象徴し、人々は歌い、踊り、色と水で互いを祝福し合います。
2026年3月29日(日)ゴデ・ジャトラ / Ghode Jatra / घोडेजात्रा
主にネパールのカトマンズ盆地一帯に居住するネワーリ民族のお祭りです。この祭りは、悪霊の退散と繁栄を祈願するもので、毎年「パハチャレ」と呼ばれる3日間のお祭りの2日目に当たります。特に、カトマンズ近くのトゥンディケル(Tundikhel)では、ネパール軍による大掛かりな馬術競技やパレードが披露され、多くの観客で賑わいます。ネワール族は音楽や舞踊を愛し、この日には豪華な食事を楽しむことで知られています。カトマンズ盆地地域のみ祝日となります。
2026年3月20日(金)ラマダン明け大祭 / Ramjan Edul Fikra(Eid Al-Fitr) / रमजान इदुल फित्र
イスラム教徒にとって、約1ヶ月にわたる断食月(ラマダン)が終わりを告げることを盛大にお祝いする、最も重要な祝日の一つです。イスラム世界では「イード・アル=フィトル / Eid Al-Fitr」と呼ばれます。ヒジュラ暦に基づいているため、毎年グレゴリオ暦上での日付が変動します。この日、イスラム教徒はモスクに集まり特別な祈りを捧げ、家族や友人とご馳走を分かち合い、お互いに祝福を述べ合います。子供たちには新しい服が贈られ、貧しい人々への施しも行われます。
2026年4月14日(火)ネパール新年 / Nepali New Years Day / नेपाली नयाँ वर्ष
ネパールの主要な暦であるビクラム暦2083年の新年元旦の日です。60を超える民族グループが生活するネパールでは9つの異なる新年の日がありますが、この日は「国民の新年」と見なされ、全国的に祝われます。この日、ネパール中のヒンドゥー寺院では、多くの人が朝のお祈りを捧げ、神々に食べ物を供えます。パレードに参加したり、家族や友人とご馳走を楽しんだり、地元の公園でピクニックに出かけたり、国内旅行をしたりして新しい年を祝います。新しい始まりとして、仕事や学業での目標設定なども行われます。
2026年4月15日(水)ラーム・ナヴァミ(ラーマ神生誕日)/ Ram Navami / राम नवमी
ヒンドゥー教の主要な神の一人であるヴィシュヌ神の7番目の化身、シュリーラーマ(叙事詩ラーマーヤナの主人公)の生誕を祝う春祭りです。ラーマ神は、ヒンドゥー教のヴィシュヌ派の伝統において特に重要視されており、悪に打ち勝つ「理想の人間」として崇拝されています。この日、信者たちは寺院を訪れ、特別な祈りや儀式を行い、ラーマ神の物語を朗読したり、歌を歌ったりして過ごします。多くの人々が断食を行い、精神的な浄化を求めます。
2026年4月24日(金)民主主義記念日(ロクタントラ・ディワス)/ Loktantra Diwas / लोकतन्त्र दिवस
2005年、ギャネンドラ国王が議会を停止し、非常事態宣言を発令しましたが、その後の大規模な民主化運動により、2006年にネパールの代表議会が復活しました。この日は、国民が主権を取り戻した重要な節目として「ロクタントラ・ディワス(民主主義記念日)」と名付けられ、国の祝日となっています。全国各地で民主主義の価値を再確認し、民主化運動の功績を称える式典や集会が開催されます。
2026年4月10日(金)チャイテ・ダサイン / Chaite Dashain / चैते दसैं
「小さなダサイン」とも呼ばれ、毎年春に行われるヒンドゥー教の祭りで、悪に対する善の勝利を祝います。秋に祝われる「ダサイン」ほど大規模ではありませんが、地域によってはこの日も重要視されます。主にカルナリ州(第六州)の祝日とされており、この州では公休日となります。寺院では特別なプージャーが行われ、家族やコミュニティで集まって祝宴を楽しみます。
2026年5月3日(日)チェティ・チャンド / Cheti Chand / चेटी चन्द
主に南アジアに起源を持つシンド人の新年を祝うお祭りです。シンド地方の文化と伝統を祝うもので、ネパールに住むシンド人コミュニティによって盛大に祝われます。この日、シンド人は伝統的な歌や踊り、そして特別な料理を楽しみ、新しい年の幸福と繁栄を祈ります。主にガンダキ州(第四州)の祝日とされていますが、その年の州政府の決定により公休日となるかどうかが決まります。
2026年5月1日(金)メーデー / Majdur Diwas / Labour Day / मजदुर दिवस
世界各地で労働者の権利と功績を称える日として知られるメーデーは、ネパールでも国の祝日となっています。ネパールには700万人以上の労働者がおり、その中にはインド、中国、ミャンマーなど海外で働く100万人以上のネパール人も含まれます。これらの労働者からの送金は、ネパールの国内総生産(GDP)の約30パーセントを占めると言われるほど、国の経済に不可欠な存在です。この日、労働組合によるデモや集会が行われ、労働者の権利保護と労働環境の改善が訴えられます。
2026年5月2日(土)釈迦生誕祭(ブッダ・ジャヤンティ)/ Buddha Jayanti / बुद्ध जयन्ती
仏陀(シッダールタ・ゴータマ)の生誕、悟り、そして涅槃という、仏陀の生涯における重要な3つの出来事を祝う聖なる日です。これらの出来事がすべて同じ日であるとされていることから、特にこの日は仏教徒にとって極めて重要です。仏陀がネパールのルパンデヒ地区にあるルンビニで生まれたとされているため、ブッダ・ジャヤンティは多くのネパール人にとっても特別な意味を持ちます。この日、仏教寺院や僧院では特別な祈りや儀式が行われ、多くの人々がルンビニを訪れ、平和と精神的な啓発を願います。
2026年5月16日(土)母の日(マタ・トリタ / アマコ・ムック・ヘルネ)/ Mother’s Day(Mata Tritha) / आमाको मुख हेर्ने दिन
毎年ネパール暦に基づき日付が変わるネパールの母の日で、ネパールでは「母の顔を見る日」と呼ばれています。この日、子供たちは母親に感謝と長寿の願いをこめて、甘いお菓子、タマゴ、果物などのプレゼントを贈る習慣があります。母親を亡くした人は、カトマンズ盆地の聖地であるマタティルタ(Matatirtha)を訪れ、亡き母親を偲んで儀式を行います。この時期、街の商店にはミタイと呼ばれる激甘のネパール菓子が並び、贈り物として人気を集めます。
2026年5月29日(金)ガナタントラ・ディワス(共和国記念日)/ Ganatantra Diwas(Republic Day) / गणतन्त्र दिवस
約240年間続いたネパール王国(ゴルカ朝)が正式に廃止され、2008年5月29日にネパールが共和制国家へと移行したことを記念する日です。この日はネパールの歴史における画期的な転換点であり、国民の祝日として定められていましたが、ネパール政府は2018年に祝日から外しました。しかし、多くの人々は引き続きこの日を祝い、民主主義の定着と共和制の意義を再確認する集会やイベントが各地で行われます。
2026年5月27日(水)メッカ巡礼祭(犠牲祭)/ Edul Aajaha(Eid Al-Adha) / इद उल अज्हा
イスラム教で最も重要とされる「イード・アル=アドハー / Eid Al-Adha」は、預言者イブラーヒーム(アブラハム)が神への信仰心を示すために息子を犠牲にしようとした故事に由来する宗教的な祝日です。イスラム暦の12月10日からメッカへの大巡礼(ハッジ)の最終日に当たります。日本では「メッカ巡礼祭」や「犠牲祭」とも呼ばれています。この日、イスラム教徒は特別な祈りを捧げ、動物を犠牲にしてその肉を貧しい人々や家族と分かち合います。親族や友人が集まり、盛大な祝宴が催されます。
2026年6月15日(月)シュラワン・サンクランティ / Saune Sankranti / साउने सङ्क्रान्ति
ネパール暦のシュラワン月(グレゴリオ暦の6月中旬から7月中旬)の始まりを祝う日で、この日を境に夏の農作業のピークが終わり、雨季が本格的に始まることを象徴します。主にネパール北西部に位置するカルナリ州(第六州)の祝日とされており、州内の政府機関が休暇となります。この日は、農作業の疲れを癒し、健康を祈願する日として、特定の食事や民間療法が行われる地域もあります。
2026年6月26日(金)アトワリ / Attwari / अट्वारी
ネパールの西部山岳地帯などに住む先住民族、タルー族の重要なお祭りです。2015年に制定された憲法で新設されたスドゥルパシュチム州(第七州)の祝日となっており、州内の官公庁は休業します。この祭りは、タルー族の文化と伝統を守り、次世代に継承する意味合いが強く、伝統的な歌や踊り、そして特別な儀式が行われます。特に、タルー族の共同体意識を育む重要な機会となっています。
2026年8月28日(金)ラクシャバンダン / Raksha Bandhan / रक्षा बन्धन
ヒンドゥー暦のシュラーワン月(グレゴリオ暦の7月下旬から8月上旬)の満月に祝われる、兄弟姉妹間の愛情の絆を強めるお祭りです。この日、姉妹は兄弟の手首に「ラキ」と呼ばれる特別な紐やお守りを結び、兄弟の長寿と安全を祈願します。これに対し、兄弟は姉妹を守ることを約束し、衣服や甘いお菓子などのプレゼントを渡す習慣があります。この時期、街のショップには、贈り物用のラキやプレゼント商品が並び、家族の絆を深める温かい雰囲気に包まれます。
2026年8月29日(土)ガイ・ジャトラ(牛祭り)/ Gai Jatra / गाईजात्रा
ガイ・ジャトラは、ネパールで最も人気があり、特にカトマンズ盆地で盛大に祝われるフェスティバルの1つです。この日、前年に親戚を亡くした家族が、亡くなった人々が天国へスムーズに旅立てるよう、カトマンズの通りを巡るパレードに参加します。パレードでは、牛を率いる習わしがあり、もし本物の牛がいない場合は、少年が牛に扮して参加します。この祭りは、死の悲しみを共有し、故人を偲ぶだけでなく、ユーモラスな仮装や風刺劇も披露され、人々に笑顔をもたらすユニークな特徴を持っています。カトマンズ盆地地域のみ祝日となります。
2026年9月4日(金)ガウラ・パルバ / Gaura Parba / गौरा पर्व
ヒンドゥー教の女神ガウラ(パールヴァティーの別名)の威光を称える伝統的なお祭りです。主にインドと国境を接するネパール西部で、特に女性たちによって盛大にお祝いされます。お祭り自体は3日間にわたって催され、初日が祝日となっていますが、ほとんどの企業は通常営業を続けることが多いようです。女性たちは、豊かな収穫と夫の健康と長寿を祈願し、特別な歌や踊りを披露し、伝統的な装飾品を身に着けます。この祭りは、地域の文化的なアイデンティティを強く反映しています。
2026年9月5日(土)クリシュナ神誕生記念日(シュリークリシュナジャンマシュタミ、ジャンマシュタミ)/ Shree Krishna Janmashtami / श्रीकृष्ण जन्माष्टमी
ヒンドゥー教の最も重要な神の一人であるクリシュナ神の誕生を祝うお祭りです。この日は、悪に対する善の勝利を象徴するもので、ヒンドゥー教徒にとって深い信仰の対象となります。寺院では、クリシュナ神の像に花、食べ物、甘いお菓子などが供えられ、信者たちは夜通しで伝統的な歌と踊りを捧げます。特に、クリシュナ神と邪悪なカンサ王との壮大な戦いを振り返るパフォーマンスが行われ、神話の世界を再現します。多くの信者は断食を行い、クリシュナ神の恵みを祈ります。
2026年9月15日(火)ハリタリカ・ティージ / Hartalika Teej / हरितालिका तीज
ヒンドゥー教のシヴァ神と女神パールヴァティー(ハルタリカ)の結婚を記念するお祭りで、特に女性にとって重要な祝日です。国の祝日ですが、この日は女性のみが公休日となります。お祭り自体は3日間にわたって催され、初日には女性たちが赤いサリーや伝統的な衣装を身にまとい、陽気に歌ったり踊ったり、真夜中までご馳走を楽しむ「ダル・カニ」という習慣があります。2日目は、夫の健康と長寿を願って断食を行い、3日目には聖なる水で身を清め、一年間の不浄を洗い流します。
2026年9月17日(木)リシ・パンチャミ / Rishi Panchami / ऋषि पञ्चमी
ヒンドゥー教徒の女性たちのお祭り「ティージ」の最終日に当たるのが、このリシ・パンチャミです。ネパール全土の祭日となっていますが、公休日ではありません。この日、女性たちは、古代の七聖人(リシ)に敬意を表し、お供え物を施します。特に、聖なる川や湖で沐浴を行い、「ダティワン(Datiwan)」という木の枝で作ったブラシで歯磨きをする儀式が行われます。これは、一年間の身体的および精神的な不浄を洗い流し、清らかな状態になることを意味します。この儀式を通じて、女性たちは精神的な平穏と浄化を求めます。
2026年9月7日(月)公務員の日 / Nijamati Sewa Diwas / निजामती सेवा दिवस
ネパールでは、1956年以来、毎年9月7日が公務員の休日として定められています。これは、公務員の社会貢献を称え、その職務の重要性を再認識するための日です。現在、ネパール全土で80,000人を超える公務員が働いていると言われており、彼らの日々の努力が国家の運営に不可欠であることを示す日でもあります。この日には、各地で表彰式や懇親会など、公務員を称えるイベントが開催されます。
2026年9月20日(日)憲法記念日 / Sambidhaan Diwas / Constitution Day / संविधान दिवस
2008年に王制が廃止された後、2015年9月20日にネパールで新しい憲法が公布されたことを記念する国の祝日です。この憲法は、ネパールを連邦共和国へと再編し、国を7つの州に分割する重要な変更をもたらしました。また、長年の立憲君主制から共和主義への移行、そして連邦主義への移行を明確に謳っています。この日、全国各地で憲法の意義を称える式典やパレードが行われ、国民が民主主義と法の支配の重要性を再確認します。
2026年9月18日(木)インドラ・ジャトラ / Indra Jatra / इन्द्रजात्रा
インドラ・ジャトラは、首都カトマンズで盛大に開催される、特にネワール族にとって重要な8~9日間にわたるフェスティバルです。この祭りはヒンドゥー教の雨と雷の神であるインドラ神に敬意を表して行われます。「インドラ」は神の名前、「ジャトラ」は「行列」を意味します。この日、華やかに飾り付けされた巨大な戦車(ラタ)が市街を巡行し、生き神クマリを乗せた戦車もパレードに参加します。また、カトマンズ盆地全体に悪霊が入り込むのを防ぐための儀式も行われ、伝統的な仮面舞踊や音楽が披露されます。カトマンズのみ祝日となります。
2026年9月6日(日)ジティヤ / Jitiya(Jivitputrika) / जितिया पर्व
ジティヤは、主にネパール南部のタライ平原に住むヒンドゥー教徒の女性たちによって祝われるお祭りです。子供たちの健康と長寿を願うジティヤの伝説に由来しており、お祭り自体は3日間にわたって催されます。この日、女性たちは断食を行い、特別な祈りを捧げます。特に、タライ地方の文化を色濃く反映しており、地域の伝統的な歌や踊りも披露されます。ネパール南東部に位置するマデシ州(第二州)の祝日となっています。
2026年10月12日(月)ダサイン大祭初日(ガタスタパナ)/ Dashain(Ghatasthapana) / दशैं
ダサインは、ヒンドゥー教のアシュヴィン月(グレゴリオ暦の9月下旬~10月頃)に始まり、同月の満月に終わる、ネパール最大かつ最も重要なヒンドゥー教の祭りです。2026年10月12日(月)から10月26日(月)まで15日間に渡って催されます。 この祭りは、悪魔を打ち倒した女神ドゥルガーにちなんで、豊穣と人間の生命力高揚を祈願するものです。初日のガタスタパナでは、各家庭で、大麦の種まきの儀式(プジャ)を行い、土器に聖水を満たし、豊穣の象徴として大麦やトウモロコシの種をまきます。ダサイン大祭の期間中は、家族・親族が各地から実家へ帰省し、みんなで揃って祝い、家族の絆を深める儀式という性格を備えています。この時期はネパール国内・海外からの帰省ラッシュで、交通機関が非常に混み合います。
2026年10月18日(日)~10月24日(土)ダサイン公休日 / Dashain Public Holidays
15日間続くダサイン大祭のうち、以下の期間が公的な祝日となります。
   
    10月18日(日)フルパティ / Phulpati / फूलपाती:ダサイン大祭の7日目にあたり、この日から公的な祝日が始まります。この日、特にジャムコット(Jamkot)から儀式用の花や植物(フールパティ)がカトマンズのダルバール広場にあるハヌマン・ドーカ宮殿へと運ばれ、伝統的な儀式が行われます。
   
    10月19日(月)マハ・アスタミ / Maha Astami / महा अष्टमी:ダサイン大祭の8日目。女神ドゥルガを祀った寺院で、特に動物の生贄が捧げられます。これは、悪魔を打ち倒した女神ドゥルガーの力に感謝し、その力を称えるためのものです。カトマンズの主要な女神の寺院は、夜通し参拝者で賑わいます。
   
    10月20日(火)マハ・ナワミ / Maha Nawami / महानवमी:ダサイン大祭の9日目。この日も女神ドゥルガーへの礼拝が捧げられます。特に、商売道具、機械類、刃物、車両など、日常的に使う道具や乗り物を清め、安全と繁栄を祈る儀式(プジャ)が行われます。仕事の道具が女神の恵みによって動いていると信じられているためです。
   
    10月21日(水)ヴィジャヤ・ダサミ / Vijaya Dashami / विजया दशमी:ダサイン大祭の10日目にして最も重要な日。悪に対する善の勝利を象徴する日です。この日、年長者から年少者へ、額に朱色のティカ「Tilaka」(米とヨーグルト、赤い粉を混ぜたもの)をつけてもらいます。これは、祝福と幸運の象徴であり、同時に「ジャマラ」(Ghamara)と呼ばれる大麦の芽も髪に挿します。また、お年玉のように形で金銭が渡される習慣もあります。
   
    10月22日(木)エカダシ / Ekadashi / एकादशी:ダサイン大祭の11日目。ヴィジャヤ・ダサミに引き続き、親戚や友人との交流が続きます。引き続きティカの儀式が行われることもあります。
   
    10月23日(金)ドワダシ / Dwadashi / द्वादशी:ダサイン大祭の12日目。この日もダサインの祝祭の雰囲気が続き、家族や親戚との団欒が楽しまれます。
   
    10月24日(土)コジャグラト・プルニマ / Kojagrat Purnima / कोजाग्रत पूर्णिमा:15日間続くダサイン大祭の最終日で、ヒンドゥー教の富の女神であるマハ・ラクシュミを崇拝する日です。この夜、ラクシュミ女神が誰の家を訪れるかを見極めるため、「コジャグラト(目覚めていますか?)」と呼びかけながら、人々は夜通し目覚めてランプを灯し、特別な供物を捧げます。カトマンズでは、何世紀もの歴史を持つ寺院が並ぶダルバール広場やネパールで最も神聖な寺院とされるパシュパティナート寺院、世界的に有名なボダナート仏塔などが、美しくライトアップされ、多くの参拝者で賑わいます。
2026年11月10日(火)~11月14日(土)ティハール(光の祭り)/ Tihar / तिहार
ティハールは、富と繁栄と豊穣の女神であるラクシュミ(日本では吉祥天)を家に招き、家族の繁栄を祈願するお祭りです。ラクシュミ女神を家に迎えるために夕方から明かりを灯し、ネパール中の街や村が幻想的に輝くことから、「光の祭」として知られています。お祭り自体は5日間に渡って催されます。
   
ティハール期間中は、子供達のグループが家々を巡って歌や踊りを披露し、お菓子やお金を貰う習慣があります。ティハールのお祭りは、死を司るヤーマ神(日本では閻魔大王)の妹であるヤムナ(Yamuna)が、兄のヤーマ神に会うために行ったとされる伝説に基づいています。日ごとにカラス・イヌ・牛に対する供養儀礼「プジャ」が行われ、兄弟に対してバイ・ティカと呼ばれる儀礼が行われます。
   
    11月10日(火)カーグ・ティハール / Kaag Tihar / काग तिहार:カラス(カーグ)の日。ティハールの初日で、ヤーマ神の使者であるカラスに感謝と敬意を表します。人々は道端に葉っぱのお皿に米や穀物を置き、カラスに祈りを捧げ、彼らに餌を与えます。カラスは、死者の魂を運ぶ存在としても信じられています。
   
    11月11日(水)ククル・ティハール / Kukur Tihar / कुकुर तिहार:犬(ククル)の日。ティハールの2日目で、ヤーマ神の忠実な番犬である犬に感謝と敬意を表します。犬の額にはティカと呼ばれる赤粉で化粧が施され、花輪が首にかけられ、ご馳走がふるまわれます。犬は人間の最良の友であり、忠誠心の象徴として崇拝されます。
   
    11月12日(木)ラクシュミ・プジャ / Laxmi Puja / लक्ष्मी पूजा:ティハールの公休日。ティハールの3日目にして最も重要な日の一つで、富と繁栄と豊穣の女神であるマハ・ラクシュミを家に招き入れる日です。日没の頃、家々にランプやろうそくが灯され、通りや建物が美しく飾り付けられます。家庭では、女神ラクシュミを歓迎するための特別なプージャーが行われ、財運と幸福が祈願されます。
   
    11月13日(金)ゴヴァルダン・プジャ / Govardhan Puja / गोवर्धन पूजा:ティハールの公休日。ティハールの4日目で、ゴヴァルダン山を持ち上げたクリシュナ神と、農耕社会を支える雄牛に感謝と敬意を表する日です。雄牛には化粧が施され、ご馳走がふるまわれ、その働きに敬意が払われます。この日は、ネパールのカトマンズ盆地一帯に居住するネワール族のお正月「マハ・プジャ(Mha Puja)」にも当たり、家族の魂を清め、息災を祈願する自己崇拝の儀式が行われます。
   
    11月14日(土)バイ・ティカ / Bhai Tika / भाइ टिका:ティハールの公休日。ティハールの最終日で、兄弟姉妹の絆を祝う日です。姉や妹は、兄や弟の額に色とりどりのティカ(七色のティカが特に使われます)を施し、健康と長寿、繁栄を祈ります。これに対し、兄弟は姉妹を守ることを約束し、贈り物や金銭を渡します。姉妹がいない家庭では、親戚の女性や友人の女性からティカを付けてもらうこともあります。
2026年11月26日(木)チャート・プジャ / Chhath Puja / छठ पुजा
チャート・プジャは、太陽神スーリヤと彼の妻チャティ・マイヤ(Usha)に捧げられる古代ヒンドゥー教のお祭りです。主にインドのウッタルプラデーシュ州東部とビハール州で盛大に祝われますが、ネパール南部のタライ地方でも広く信仰されています。お祭り自体は4日間にわたって催され、信者たちは断食を行い、川や池に入って太陽神に祈りを捧げます。特に日の出と日の入り時に行われる儀式は神聖視され、家族の幸福と繁栄、子供たちの健康が祈願されます。
2026年11月25日(水)グル・ナーナク生誕日 / Guru Nanak Jayanti / गुरु नानक जयन्ती
シーク教の創始者であるグル・ナーナク・サーヒブの生誕を祝う祝祭日です。シーク教徒にとって最も重要な祭事の一つであり、ネパール国内のシーク教徒コミュニティによって盛大に祝われます。この日、シーク教徒はグドワラ(シーク教寺院)に集まり、特別な祈りを捧げ、聖典「グル・グラント・サーヒブ」の朗読を行います。パレードや共同の食事(ランガル)も行われ、教えを広め、共同体の絆を深めます。
2026年11月29日(日)カトマンズ・インディジネス祭 / Kathmandu Indigenous Festival / काठमाडौं आदिवासी महोत्सव
カトマンズ盆地およびその周辺に住む多様な先住民族が、その豊かな文化、伝統、音楽、踊りを披露する地域限定の祭りです。公休日ではありませんが、カトマンズを訪れる旅行者にとっては、ネパールの多民族性を肌で感じ、それぞれの民族が持つユニークな習慣や芸術に触れる貴重な機会となります。様々な民族グループがブースを設け、伝統工芸品や民族料理の販売も行われます。
2026年12月5日(土)ウダウリ・パルバ / Udhauli Parva / उधौली पर्व
ウダウリ・パルバは、ネパール東部に居住するキラト族(主にライ族、リンブー族など)の重要な収穫祭です。この祭りは、冬季に山岳地帯から低地へ移動する(ウダウリ=下る)時期と重なり、収穫への感謝と新しい季節の到来を祝います。饗宴が催され、キラト族の女性は「チットコグネウ(Chitkogneu)」と呼ばれる特別な模様のドレスを纏い、伝統的な歌に合わせて踊って、お祝いします。ネパールの東端に位置するコシ州(第一州)の祝日となっています。
2026年12月26日(土)ブワ・パルバ / Bhuwa Parba / भुवा पर्व
主にネパールの西部丘陵地帯や山岳地帯で祝われるお祭りで、ヒンドゥー教の叙事詩「マハーバーラタ」に登場する英雄パンダヴァの勝利を祝うものとされます。この祭りでは、伝統的な楽器の演奏とともに、男性によるククリ刀(ネパールの伝統的な湾曲したナイフ)を手に持った勇壮な踊りが披露されます。これは、悪霊を払い、コミュニティの安全と繁栄を願う意味合いも持ちます。スドゥルパシュチム州(第七州)の祝日となっています。
2026年12月25日(金)クリスマス / Christmas Day / क्रिसमस
キリスト教徒にとってイエス・キリストの降誕を祝うクリスマスは、2006年よりネパールの祝日となっています。ネパールには約300万人のクリスチャンがいると推定されており、彼らにとっては重要な信仰上の祝日です。この日、キリスト教徒のコミュニティでは教会での礼拝が行われ、家族や友人と集まって特別な食事を共にし、プレゼントを交換するなどの習慣があります。カトマンズなどの都市部では、クリスマスツリーやイルミネーションも見られるようになり、宗教の枠を超えて祝祭の雰囲気が広がっています。
2026年12月30日(水)タム・ロサル / Tamu Losar / तमु ल्होसार
ネパールの主要な山岳民族の一つであるグルン族の新年のお祭りです。彼らは独自の「タム暦」を使用しており、この日は新しい年の始まりを意味します。グルン族は、伝統的な衣装を身につけ、グルン族の歌や踊りを披露しながら、家族やコミュニティのメンバーと集まって祝宴を楽しみます。新しい年の健康と繁栄を祈願し、世代間の文化継承を祝う大切な日です。
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