
タイへの旅行や出張を計画する際、現地の祝日や文化的な習慣を事前に把握しておくことは非常に重要です。この記事では、2025年・2026年のタイの祝日・お祭りリストに加え、仏暦や禁酒日といった、タイならではの基本知識をわかりやすく解説します。
タイの祝日・休日を理解するための基礎知識
タイの祝日には、日本とは異なる「仏暦(ぶつれき)」が深く関わっています。これはタイ語で「プッタサッカラート」と呼ばれ、仏教の開祖である釈迦が亡くなった翌年を紀元とする暦です。ラオスやカンボジアでも同様の計算方法が用いられていますが、ミャンマーやスリランカでは異なる仏暦を使用しており、国によって1年のずれがあります。
この仏暦は、西暦に543を足すことで換算できます。西暦2025年はタイの仏暦で2568年に当たります。タイの人々の間では、公的な場面や日常生活においても仏暦が使われることが多く、西暦よりも身近な感覚で使われています。しかし、多くのカレンダーや文書には西暦も併記されているため、外国人でも大きな混乱はありません。
祝日・休日には、銀行や政府機関、郵便局、一部の民間企業が休業となります。一方、主要な観光施設、デパート、レストランなどは通常営業していることが多いです。
一般的な週休2日制は土曜日と日曜日です。タイでは、祝日が土曜日または日曜日と重なった場合、翌営業日が振替休日となります。
なお、タイ政府は2024年11月12日の閣議決定を経て、2025年の祝日を正式に発表しています。参照:タイ政府広報局 公式サイト The Public Relations Department, PRD
祝祭日と注意すべき「禁酒日」について
タイでは、仏教に関連する特定の祝日や選挙日が「禁酒日」に指定されます。すべての祝日が禁酒日となるわけではなく、指定された日はホテルやバー、コンビニエンスストアなどでのアルコール類の販売が原則として禁止されます。
しかし、2025年5月に観光振興を目的とした法律の改正・新告示が施行され、禁酒日の規制が一部緩和されました。現在では、禁酒日であっても以下の特定の施設ではアルコール類の販売が許可されています。
- 国際線が運航する空港内の旅客ターミナル
- 娯楽施設法に基づき営業するナイトクラブやバーなどの施設
- タイ政府が指定する観光地の特定エリアにある施設
- ホテル法に基づき正規のライセンスを持つホテル
- タイ政府が指定した大規模な国内・国際イベントの会場
仏教関連の祝日に加え、選挙日とその前日も禁酒日となります。この期間は選挙管理委員会によってアルコール類の販売が禁止されます。一般的に、販売禁止となるのは投票日前日の午後6時から、投票日の午後6時まで(あるいは投票終了時刻まで)です。
また、禁酒日以外でも、タイではアルコール類の販売時間に関して厳格な制限があります。一般的に、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどでの小売販売は、午前11時から午後2時までと午後5時から深夜0時までと定められています。この時間外にアルコール類を購入することはできません。
ただし、レストランやバー、パブなどでの飲酒に関しては、これらの時間制限は適用されず、各店舗の営業時間に準じます。旅行者はこの点を念頭に置いて、事前にアルコール類を購入しておくなどの対応が必要です。

2025年の祝日 / お祭り イベント / 酒類販売禁止日
- 2025年1月1日(水)西暦新年元日 / New Year
- タイにおける西暦の新年元日は、日本のような厳かな雰囲気よりも、カウントダウンイベントや花火で賑わい、比較的カジュアルに祝われることが多いです。寺院ではお参りをする人もいますが、タイ人にとっての最も重要な新年は4月のソンクラーン(旧正月)であり、この日はあくまで一つの節目という位置づけです。
- 2025年1月11日(土)ワンデック(子供の日)/ Wan Dek
- 毎年1月の第2土曜日に制定されている「子供の日」は、タイ政府が子供たちの未来を育むために定めた祝祭日です。官公庁や軍事施設が一般公開されたり、全国の動物園や博物館、遊園地などが子供を無料にしたりと、様々なイベントが企画されます。家族で楽しむ一日として、タイ社会全体で子供たちを祝福する日となっています。
- 2025年1月29日(水)春節祭(中国暦正月)/ Chinese New Year
- タイでは人口の約10%以上を中国系の華人が占めており、春節(旧正月)は公的な祝日ではないものの、文化的に重要な行事として広く祝われています。特にバンコクのヤワラート(中華街)やチェンマイ、南部ナラティワート県など中国系住民が多い地域では、獅子舞やドラゴンダンス、赤い提灯の装飾などが街を彩り、多くの人々でにぎわいます。華人家庭では家族が集まり、豪華な食事を囲むほか、一部の商店や飲食店が臨時休業するため、旅行者は注意が必要です。
- 2025年2月第1週末 フラワー・フェスティバル / Chiang Mai Flower Festival
- 毎年2月上旬、チェンマイで開催されるフラワー・フェスティバルは、涼しい気候で育つ美しい花々を祝う華やかなイベントです。3日間にわたり、色鮮やかな花で飾られたフロート(山車)のパレードや、伝統的なダンス、ミス・フラワー・フェスティバル・コンテストなどが行われ、街中が甘い香りと熱気に満ち溢れます。

- 2025年2月12日(水)マーカブチャー(万仏祭) / Makha Bucha Day
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マーカブチャーは、お釈迦様が悟りを開いた1250人の弟子が、事前の知らせもなく一堂に会したという奇跡を記念する、タイで最も神聖な仏教祭日の一つです。この日、人々は寺院に集まり、夜にはろうそくや花を持って仏像の周りを3周する「ウィエンティエン」という儀式を行います。この祭日は酒類販売が終日禁止されるため、訪問の際は注意が必要です。
※酒類販売禁止日。

- 2025年4月6日(日)チャックリー王朝記念日 / Chakri Memorial Day
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チャックリー王朝記念日は、現王朝の創始者であるラーマ1世を記念し、歴代の王に敬意を表す祝日です。この日、国民は王室への忠誠を誓い、王室関連の建物や政府機関では国旗が掲げられます。チャクリー王朝がバンコクを首都と定めた重要な歴史的日でもあり、多くの人が寺院や王宮を訪れます。
2025年は日曜日に当たるため、4月7日(月)が振替休日となります。 - 2025年4月13日(日)~4月15日(火)ソンクラーン(タイ旧正月) / Songkran Festival
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ソンクラーンは、タイの旧正月を祝う最も盛大で重要な祭日です。元々は仏像や年長者の手に水をかけて敬意を表し、身を清める宗教的な儀式でしたが、現在では国を挙げての水掛け祭りとして知られています。この期間、多くの商店や企業が休みとなり、帰省する人々で交通機関が混み合います。特にバンコクやチェンマイでは、観光客も参加する大規模な水掛け合戦が繰り広げられます。
2025年は日曜日と重なるため、4月16日(水)が振替休日となります。 - 2025年5月1日(木)レイバーデー(メーデー) / National Labour Day
- 労働者の権利と功績を称える日で、多くの民間企業が休日となります。官公庁や銀行は通常通り開いていることが多いですが、祝日法に基づき労働者に休暇を与えることが義務付けられています。この日は労働組合によるデモや集会が行われることもあります。
- 2025年5月4日(日)戴冠記念日 / 国王即位記念日 / Coronation Day
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現チャックリー王朝の国王ラーマ10世(ワチラロンコーン国王)の戴冠式を祝う記念日です。2019年に制定された比較的新しい祝日であり、この日には全国各地で王室の功績を称え、国王への敬意を示す行事が行われます。国旗掲揚や、国王の肖像画が飾られるなど、国民の王室への忠誠心を示す一日となります。
2025年は日曜日に当たるため、5月5日(月)が振替休日となります。 - 2025年5月9日(金)農耕祭 / Royal Ploughing Ceremony
- 豊作を祈願する王室の伝統的な儀式で、官公庁や銀行は休日となりますが、民間企業は通常通り営業するところが多いです。王宮前のサナムルアン広場では、国王や王室メンバーが参列し、ウシに食べ物を選ばせることでその年の収穫を占う神聖な儀式が行われます。この儀式は、タイの農業中心の文化を象徴する重要な行事です。
- 2025年5月11日(日)ウィサーカブチャー(仏誕節)/ Visakha Bucha Day
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ウィサーカブチャー(仏誕節)は、釈迦の誕生、悟り、そして入滅(涅槃)という仏教の三大聖事が同じ日に起こったとされる日を記念する、タイで最も重要な仏教祝日です。全国の寺院では、タンブン(功徳行)や、ろうそくを持って本堂を三周する「ウィエンティエン」の儀式が行われ、静かな敬虔な雰囲気に包まれます。この日は全国で酒類の販売が終日禁止されます。
※酒類販売禁止日。
2025年は日曜日に当たるため、5月12日(月)が振替休日となります。 - 2025年5月後半 ロケットフェスティバル / Rocket Festival
- 毎年5月から6月にかけて、雨季の始まりを告げ、豊作を祈願するためにタイ東北部(イサーン地方)のヤソートーン県を中心に開催されます。手作りの巨大なロケットを空に向かって打ち上げ、その高度を競う迫力満点のお祭りです。祭りの期間中には、華やかなパレードや伝統的なダンス、音楽ショーなども行われ、地域全体が活気に満ち溢れます。
- 2025年6月3日(火)スティダー王妃生誕日 / H.M.Queen Suthida Birthday
- 2019年にラーマ10世の王妃として即位されたスティダー王妃の誕生日を祝う国民の祝日です。この日は王妃の肖像画が街中に飾られ、国民は青い服を着用して王室への敬意と忠誠を示します。タイ国内では様々な祝賀イベントや慈善活動が行われます。
- 2025年6月28日(土)〜30日(月)ピーターコーン祭り / Phi Ta Khon Festival
- ピーターコーン祭りは、タイ東北部ルーイ県ダーンサーイ郡に伝わるユニークな伝統祭りで、別名「精霊祭り」とも呼ばれます。仏教の教えに基づき、亡霊が人間界に戻ってきた様子を象徴しており、人々は鮮やかな色彩と長い鼻が特徴的な仮面をつけ、腰に鈴を付けて踊りながら町を練り歩きます。豊作を祈願する意味合いも持ち、地元の人々だけでなく、多くの観光客を魅了します。ピーターコーン祭りの詳細
- 2025年7月10日(木)アサラハブチャー(三宝節)/ Asalaha Bucha Day
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アサラハブチャーは、お釈迦様が初めて教えを説き、仏教の三宝(仏・法・僧)が完成したことを記念する仏教の祝日です。ウィサーカブチャー同様、この日も寺院では多くの人々が功徳を積み、夜にはろうそくの光を持って仏像の周りを回る「ウィエンティエン」の儀式に参加します。この日は全国的に酒類の販売が禁止されるため、事前に注意が必要です。アサラハブチャー(三宝節)の詳細
※酒類販売禁止日。 - 2025年7月11日(金)カオパンサー(入安居)/ Khao Phansa (Buddhidt Lent’s Day)
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カオパンサーは、仏教の雨安居(うあんご)の期間が始まる日です。この日からおよそ3ヶ月間、僧侶は寺院にこもり、外出を控えて厳しい修行に専念します。この期間は、若者が一時的に出家する習慣が盛んになる時期でもあります。国の祝日であり、官公庁や銀行は休みとなります。また、仏教上重要な日であるため、酒類販売が禁止される日の一つです。カオパンサー(入安居)の詳細
※酒類販売禁止日。 - 2025年7月9日(水)~11日(金)ウボンラチャタニ・ロウソク祭り / Ubon Ratchathani Candle Festival
- ウボンラーチャターニー県で開催されるこの祭りは、仏教の「カオパンサー(入安居)」の始まりを告げる重要なイベントです。美しく装飾された巨大なロウソクの山車が市内をパレードし、その芸術性を競います。蜜蝋で作られた精巧な彫刻は、仏教の物語や神話を描いており、その壮大な美しさは一見の価値があります。ウボンラチャタニ・キャンドル・フェスティバルの詳細
- 2025年7月28日(月)ワチラーロンコーン国王誕生日 / H.M. King Maha Vajiralongkorn’s Birthday
- 現国王であるラーマ10世の生誕を祝う国民の祝日です。この日は国民が国王への敬意を示す重要な日であり、全国各地で祝賀行事や慈善活動が行われます。国王のシンボルカラーである黄色の服を身につけて祝う人々も多く、王室への忠誠心を示す一日となります。ワチラーロンコーン国王誕生日の詳細
- 2025年8月12日(火)シリキット王太后誕生日 / H.M. Queen Sirikit’s Birthday
- シリキット王太后の生誕日を祝う国民の祝日であり、この日は同時にタイの「母の日」でもあります。全国各地で王太后の功績を称える式典が行われ、また、子供たちが母親に感謝の気持ちを伝える日でもあります。王太后のシンボルカラーである水色の服を着て祝う人々が多く見られます。シリキット王太后誕生日の詳細
- 2025年9月24日(火)マヒドン王子の日 / Prince Mahidol Day
- 「タイ現代医学の父」と称されるマヒドン王子を記念する日です。タイの医療や公衆衛生の発展に多大な貢献をした功績を称え、全国の病院や医療機関で追悼式典が開催されます。医学部や保健関連の学生たちは、この日に記念行事やボランティア活動を行うのが伝統となっています。
- 2025年10月6日(月)水牛祭り / Buffalo Racing Festival
- 水牛祭りはオークパンサーの時期に、豊作を感謝し、雨季の田植えが終了したことを祝う、タイの伝統的な祭りです。主にチョンブリー県で開催される「チョンブリー水牛祭り」が有名です。ハイライトは約百メートルにわたるレーストラックを水牛がスピードを競い合う「水牛レース」です。勇敢な騎手と水牛が一体となって疾走する姿は迫力満点で、地元の人々だけでなく、観光客にも人気があります。タイのチョンブリー水牛祭りの詳細
- 2025年10月7日(火)オークパンサー(出安居)/ Ok Phansa
- 約3ヶ月間の雨安居(カオパンサー)を終え、僧侶が寺院での修行を終えて再び世俗の生活に戻ることを祝う日です。この日には、信者が寺院を訪れて功徳を積んだり、僧侶に食事を捧げたりします。特に東北地方では、天から降りてくる仏陀を迎える「タート・テウォロハン」という儀式が行われるなど、地域ごとに様々な祝祭が催されます。この日は法律で定められた禁酒日ではありませんが、地域によっては自主的に酒類販売が自粛される場合があります。オークパンサー(出安居)の詳細
- 2025年10月13日(月)ラーマ9世記念日 / King Bhumibol Adulyadej Memorial Day
- 2016年に崩御されたプミポン前国王(ラーマ9世)を追悼し、その功績を称える国民の祝日です。在位70年という長きにわたり、タイの発展に尽力された前国王は国民から絶大な敬愛を受けており、この日は全国各地で追悼式典や功徳を積むための行事が行われます。多くの人々が黄色い服を着用し、前国王への感謝と敬意を示します。ラーマ9世記念日の詳細
- 2025年10月23日(木)ワンピヤマハーラート(チュラロンコーン大王記念日)/ Chulalongkorn Memorial Day
- ラーマ5世であるチュラロンコーン大王の功績を記念する日です。奴隷制度の廃止や、近代的な行政制度の導入など、タイの近代化に多大な貢献をしたことから、国民から最も尊敬される国王の一人とされています。この日は、チュラロンコーン大王の銅像がある王宮前広場や各地の公共施設で追悼式典が行われ、多くの人々が花を捧げに訪れます。
- 2025年11月5日(水)ロイ・クラトン(灯籠流し)/ Loy Krathong
- ロイ・クラトンは、タイ陰暦12月の満月の夜に行われる伝統行事で、水の女神「プラ・メー・コンカー」に感謝を捧げ、厄払いを願いながら灯籠(クラトン)を川に流します。クラトンはバナナの葉や花、ろうそく、線香などで飾られ、静かな祈りの場面として知られています。特にチェンマイでは、同時期に「イーペン祭り(Yi Peng Festival)」が開催され、熱気球型ランタン(コムローイ)が夜空に放たれる幻想的な風景が観光客を魅了します。ロイ・クラトンは国の公的な祝日ではありませんが、チェンマイ県では2025年11月6日(木)のLoy Krathongにあわせて、一部の公立学校で休校となる「地域の特別休日」が設定されています。旅行者は、時間に余裕を持った日程設計をお勧めします。
- 2025年11月第3週末 スリン象祭り / Surin Elephant Round-up
- タイ東北部のスリン県は、昔から象と深く関わってきた歴史を持つ地域で、毎年11月の第3週末に象祭りが行われます。この祭りでは、数百頭もの象が参加する壮大なパレードや、象のサッカー、綱引き、歴史的な戦いの再現など、象の知能と力を示す様々なパフォーマンスが披露されます。地域文化の保護と象への感謝を目的とした、他に類を見ないユニークな祭りです。
- 2025年12月5日(金)ラーマ9世誕生日 / King Bhumibol Adulyadej’s Birthday
- プミポン前国王(ラーマ9世)の誕生日を祝うとともに、タイの「父の日」として祝われる国民の祝日です。国王のシンボルカラーである黄色の服を着用し、国王への敬愛と感謝を示す様々な行事が行われます。全国各地でチャリティー活動や式典が開催され、国民の団結を促す重要な日です。ラーマ9世誕生日(父の日)の詳細
- 2025年12月10日(水)憲法記念日 / Constitution Day
- 1932年12月10日に立憲君主制を確立するためのタイ初の恒久憲法が公布されたことを記念する祝日です。この日、国民はタイの民主主義と立憲君主制の歴史を振り返り、その意義を再確認します。国会議事堂などでは記念式典が行われます。
- 2025年12月31日(水)大晦日 / New Year’s Eve
- タイでは、旧正月であるソンクラーンが最大の新年祝いですが、西暦の大晦日も近年では盛大に祝われるようになりました。特にバンコクの繁華街では、大規模なカウントダウンイベントが開催され、花火が打ち上げられるなど、多くの人々が新年の到来を祝います。多くの商業施設やホテルが特別なイベントを企画し、国内外の観光客で賑わいます。
2026年の祝日 / お祭り イベント / 酒類販売禁止日
- 2026年1月1日(木)西暦新年元日 / New Year
- タイにおける西暦の新年元日は、日本のような厳かな雰囲気よりも、カウントダウンイベントや花火で賑わい、比較的カジュアルに祝われることが多いです。寺院ではお参りをする人もいますが、タイ人にとっての最も重要な新年は4月のソンクラーン(旧正月)であり、この日はあくまで一つの節目という位置づけです。
- 2026年1月2日(金)特別休日 / Special Holiday
- 2024年の閣議決定により、連休を促進する目的で追加された特別公休日です。これにより、2025年12月31日(水)から2026年1月4日(日)までが5連休となります。観光客だけでなく、タイ国民にとっても長期休暇を計画しやすい期間となります。
- 2026年1月10日(土)ワンデック(子供の日)/ Wan Dek
- 毎年1月の第2土曜日に制定されている「子供の日」は、タイ政府が子供たちの未来を育むために定めた祝祭日です。官公庁や軍事施設が一般公開されたり、全国の動物園や博物館、遊園地などが子供を無料にしたりと、様々なイベントが企画されます。家族で楽しむ一日として、タイ社会全体で子供たちを祝福する日となっています。
- 2026年2月7日(土)~2月9日(月)フラワー・フェスティバル / Chiang Mai Flower Festival
- 毎年2月上旬、チェンマイで開催されるフラワー・フェスティバルは、涼しい気候で育つ美しい花々を祝う華やかなイベントです。3日間にわたり、色鮮やかな花で飾られたフロート(山車)のパレードや、伝統的なダンス、ミス・フラワー・フェスティバル・コンテストなどが行われ、街中が甘い香りと熱気に満ち溢れます。
- 2026年2月17日(火)春節祭(中国暦正月)/ Chinese New Year
- タイでは人口の約10%以上を中国系の華人が占めており、春節(旧正月)は公的な祝日ではないものの、文化的に重要な行事として広く祝われています。特にバンコクのヤワラート(中華街)やチェンマイ、南部ナラティワート県など中国系住民が多い地域では、獅子舞やドラゴンダンス、赤い提灯の装飾などが街を彩り、多くの人々でにぎわいます。華人家庭では家族が集まり、豪華な食事を囲むほか、一部の商店や飲食店が臨時休業するため、旅行者は注意が必要です。
- 2026年3月3日(火)マーカブチャー(万仏祭) / Makha Bucha Day
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マーカブチャーは、お釈迦様が悟りを開いた1250人の弟子が、事前の知らせもなく一堂に会したという奇跡を記念する、タイで最も神聖な仏教祭日の一つです。この日、人々は寺院に集まり、夜にはろうそくや花を持って仏像の周りを3周する「ウィエンティエン」という儀式を行います。この祭日は酒類販売が終日禁止されるため、訪問の際は注意が必要です。
※酒類販売禁止日。 - 2026年4月6日(月)チャックリー王朝記念日 / Chakri Memorial Day
- チャックリー王朝記念日は、現王朝の創始者であるラーマ1世を記念し、歴代の王に敬意を表す祝日です。この日、国民は王室への忠誠を誓い、王室関連の建物や政府機関では国旗が掲げられます。チャクリー王朝がバンコクを首都と定めた重要な歴史的日でもあり、多くの人が寺院や王宮を訪れます。

- 2026年4月13日(月)~15日(水)ソンクラーン(タイ旧正月) / Songkran Festival
- ソンクラーンは、タイの旧正月を祝う最も盛大で重要な祭日です。元々は仏像や年長者の手に水をかけて敬意を表し、身を清める宗教的な儀式でしたが、現在では国を挙げての水掛け祭りとして知られています。この期間、多くの商店や企業が休みとなり、帰省する人々で交通機関が混み合います。特にバンコクやチェンマイでは、観光客も参加する大規模な水掛け合戦が繰り広げられます。
- 2026年5月1日(金)レイバーデー(メーデー) / National Labour Day
- 労働者の権利と功績を称える日で、多くの民間企業が休日となります。官公庁や銀行は通常通り開いていることが多いですが、祝日法に基づき労働者に休暇を与えることが義務付けられています。この日は労働組合によるデモや集会が行われることもあります。
- 2026年5月4日(月)戴冠記念日 / Coronation Day
- 現チャックリー王朝の国王ラーマ10世(ワチラロンコーン国王)の戴冠式を祝う記念日です。2019年に制定された比較的新しい祝日であり、この日には全国各地で王室の功績を称え、国王への敬意を示す行事が行われます。国旗掲揚や、国王の肖像画が飾られるなど、国民の王室への忠誠心を示す一日となります。
- 2026年5月8日(金)農耕祭 / Royal Ploughing Ceremony
- 豊作を祈願する王室の伝統的な儀式で、官公庁や銀行は休日となりますが、民間企業は通常通り営業するところが多いです。王宮前のサナムルアン広場では、国王や王室メンバーが参列し、ウシに食べ物を選ばせることでその年の収穫を占う神聖な儀式が行われます。この儀式は、タイの農業中心の文化を象徴する重要な行事です。
- 2026年5月第2週末 ロケットフェスティバル / Rocket Festival
- 毎年5月から6月にかけて、雨季の始まりを告げ、豊作を祈願するためにタイ東北部(イサーン地方)のヤソートーン県を中心に開催されます。手作りの巨大なロケットを空に向かって打ち上げ、その高度を競う迫力満点のお祭りです。祭りの期間中には、華やかなパレードや伝統的なダンス、音楽ショーなども行われ、地域全体が活気に満ち溢れます。
- 2026年5月31日(日)ウィサーカブチャー(仏誕節)/ Visakha Bucha Day
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ウィサーカブチャー(仏誕節)は、釈迦の誕生、悟り、そして入滅(涅槃)という仏教の三大聖事が同じ日に起こったとされる日を記念する、タイで最も重要な仏教祝日です。全国の寺院では、タンブン(功徳行)や、ろうそくを持って本堂を三周する「ウィエンティエン」の儀式が行われ、静かな敬虔な雰囲気に包まれます。この日は全国で酒類の販売が終日禁止されます。
※酒類販売禁止日。
日曜日に当たるため、翌日6月1日(月)が振替休日となります。 - 2026年6月3日(水)スティダー王妃生誕日 / H.M.Queen Suthida Birthday
- 2019年にラーマ10世の王妃として即位されたスティダー王妃の誕生日を祝う国民の祝日です。この日は王妃の肖像画が街中に飾られ、国民は青い服を着用して王室への敬意と忠誠を示します。タイ国内では様々な祝賀イベントや慈善活動が行われます。
- 2026年6月27日(土)~29日(月)ピーターコーン祭り / Phi Ta Khon Festival
- ピーターコーン祭りは、タイ東北部ルーイ県ダーンサーイ郡に伝わるユニークな伝統祭りで、別名「精霊祭り」とも呼ばれます。仏教の教えに基づき、亡霊が人間界に戻ってきた様子を象徴しており、人々は鮮やかな色彩と長い鼻が特徴的な仮面をつけ、腰に鈴を付けて踊りながら町を練り歩きます。豊作を祈願する意味合いも持ち、地元の人々だけでなく、多くの観光客を魅了します。ピーターコーン祭りの詳細
- 2026年7月28日(火)ワチラーロンコーン国王誕生日 / H.M. King Maha Vajiralongkorn’s Birthday
- 現国王であるラーマ10世の生誕を祝う国民の祝日です。この日は国民が国王への敬意を示す重要な日であり、全国各地で祝賀行事や慈善活動が行われます。国王のシンボルカラーである黄色の服を身につけて祝う人々も多く、王室への忠誠心を示す一日となります。ワチラーロンコーン国王誕生日の詳細
- 2026年8月12日(水)シリキット王太后誕生日 / H.M. Queen Sirikit’s Birthday
- シリキット王太后の生誕日を祝う国民の祝日であり、この日は同時にタイの「母の日」でもあります。全国各地で王太后の功績を称える式典が行われ、また、子供たちが母親に感謝の気持ちを伝える日でもあります。王太后のシンボルカラーである水色の服を着て祝う人々が多く見られます。シリキット王太后誕生日の詳細
- 2026年9月24日(木)マヒドン王子の日 / Prince Mahidol Day
- 「タイ現代医学の父」と称されるマヒドン王子を記念する日です。タイの医療や公衆衛生の発展に多大な貢献をした功績を称え、全国の病院や医療機関で追悼式典が開催されます。医学部や保健関連の学生たちは、この日に記念行事やボランティア活動を行うのが伝統となっています。
- 2026年10月2日(金)水牛祭り / Buffalo Racing Festival
- 水牛祭りはオークパンサーの時期に、豊作を感謝し、雨季の田植えが終了したことを祝う、タイの伝統的な祭りです。主にチョンブリー県で開催される「チョンブリー水牛祭り」が有名です。ハイライトは約百メートルにわたるレーストラックを水牛がスピードを競い合う「水牛レース」です。勇敢な騎手と水牛が一体となって疾走する姿は迫力満点で、地元の人々だけでなく、観光客にも人気があります。タイのチョンブリー水牛祭りの詳細
- 2026年10月5日(月)オークパンサー(出安居)/ Ok Phansa
- 約3ヶ月間の雨安居(カオパンサー)を終え、僧侶が寺院での修行を終えて再び世俗の生活に戻ることを祝う日です。この日には、信者が寺院を訪れて功徳を積んだり、僧侶に食事を捧げたりします。特に東北地方では、天から降りてくる仏陀を迎える「タート・テウォロハン」という儀式が行われるなど、地域ごとに様々な祝祭が催されます。この日は法律で定められた禁酒日ではありませんが、地域によっては自主的に酒類販売が自粛される場合があります。オークパンサー(出安居)の詳細
- 2026年10月13日(火)ラーマ9世記念日 / King Bhumibol Adulyadej Memorial Day
- 2016年に崩御されたプミポン前国王(ラーマ9世)を追悼し、その功績を称える国民の祝日です。在位70年という長きにわたり、タイの発展に尽力された前国王は国民から絶大な敬愛を受けており、この日は全国各地で追悼式典や功徳を積むための行事が行われます。多くの人々が黄色い服を着用し、前国王への感謝と敬意を示します。ラーマ9世記念日の詳細
- 2026年10月23日(金)ワンピヤマハーラート(チュラロンコーン大王記念日)/ Chulalongkorn Memorial Day
- ラーマ5世であるチュラロンコーン大王の功績を記念する日です。奴隷制度の廃止や、近代的な行政制度の導入など、タイの近代化に多大な貢献をしたことから、国民から最も尊敬される国王の一人とされています。この日は、チュラロンコーン大王の銅像がある王宮前広場や各地の公共施設で追悼式典が行われ、多くの人々が花を捧げに訪れます。
- 2026年10月24日(土)~26日(月)ロイ・クラトン(灯籠流し)/ Loy Krathong
- ロイ・クラトンは、タイ陰暦12月の満月の夜に行われる伝統行事で、水の女神「プラ・メー・コンカー」に感謝を捧げ、厄払いを願いながら灯籠(クラトン)を川に流します。クラトンはバナナの葉や花、ろうそく、線香などで飾られ、静かな祈りの場面として知られています。特にチェンマイでは、同時期に「イーペン祭り(Yi Peng Festival)」が開催され、熱気球型ランタン(コムローイ)が夜空に放たれる幻想的な風景が観光客を魅了します。ロイ・クラトンは国の公的な祝日ではありませんが、チェンマイ県では、一部の公立学校で休校となる「地域の特別休日」が設定されています。旅行者は、時間に余裕を持った日程設計をお勧めします。
- 2026年11月第3週末 スリン象祭り / Surin Elephant Round-up
- タイ東北部のスリン県は、昔から象と深く関わってきた歴史を持つ地域で、毎年11月の第3週末に象祭りが行われます。この祭りでは、数百頭もの象が参加する壮大なパレードや、象のサッカー、綱引き、歴史的な戦いの再現など、象の知能と力を示す様々なパフォーマンスが披露されます。地域文化の保護と象への感謝を目的とした、他に類を見ないユニークな祭りです。
- 2026年12月5日(土)ラーマ9世誕生日 / King Bhumibol Adulyadej’s Birthday
- プミポン前国王(ラーマ9世)の誕生日を祝うとともに、タイの「父の日」として祝われる国民の祝日です。国王のシンボルカラーである黄色の服を着用し、国王への敬愛と感謝を示す様々な行事が行われます。全国各地でチャリティー活動や式典が開催され、国民の団結を促す重要な日です。ラーマ9世誕生日(父の日)の詳細
- 2026年12月10日(木)憲法記念日 / Constitution Day
- 1932年12月10日に立憲君主制を確立するためのタイ初の恒久憲法が公布されたことを記念する祝日です。この日、国民はタイの民主主義と立憲君主制の歴史を振り返り、その意義を再確認します。国会議事堂などでは記念式典が行われます。
- 2026年12月31日(木)大晦日 / New Year’s Eve
- タイでは、旧正月であるソンクラーンが最大の新年祝いですが、西暦の大晦日も近年では盛大に祝われるようになりました。特にバンコクの繁華街では、大規模なカウントダウンイベントが開催され、花火が打ち上げられるなど、多くの人々が新年の到来を祝います。多くの商業施設やホテルが特別なイベントを企画し、国内外の観光客で賑わいます。